日経平均株価とTOPIXの違いとは

2019年11月28日

日経平均株価

日本を代表する株価指数「日経平均株価」。東証1部上場銘柄のうち225銘柄を抽出して指数にしています。値がさ株に影響されやすいという特徴があります。

日本を代表する株価指標

株式関連の指標をいくつか見ていきましょう。

まずはニュースなどでも馴染みの深い「日経平均株価」です。日経平均株価(日経平均)は日本の株式市場を代表する株価指数。その名の通り日経新聞社が算出しています。国内外の投資家や株式市場関係者によく知られています。

東京証券取引所第1部上場の1700超の銘柄のうち、流動性が高い銘柄から業種のバランスをとって225銘柄を抽出し、指数にしたものです。このことから「日経225」とも呼ばれます。

日本を代表する株価指数が、全銘柄の7分の1以下の銘柄だけを対象にして算出されているというのは意外です。

日経平均は我が国を代表する平均株価であり、長期にわたる日本株の動きを表しています。

日経平均の業種分類

値がさ株に影響されやすい

日経平均株価の特徴として、株価の高い銘柄(値がさ株*)の動きに左右されやすいという側面を持っています。

【用語解説】値がさ株
株価の高い銘柄のこと。

株価が100円の銘柄が、10%上がることが日経平均株価に及ぼす影響に比べ、1000円の銘柄が10%上がる(100円の値上がり)ことによる影響力のほうが、はるかに大きくなるということです。

東証1部上場のハイテク株*の中には値がさ株が多いため、日経平均はハイテク株に左右されやすい指標ともいわれます。

【用語解説】ハイテク株
電機、精密などの業種で高度な技術力を持つ企業の株式のこと。具体的には、デジタル家電や精密機械、電子部品などに関する銘柄を指す。

日経平均の対象となる225銘柄は定期的に見直され、別の銘柄と入れ替わることがあります。銘柄入れ替えには、原則として毎年1回、10月1日に実施される「定期見直し」と、突発的な「臨時入れ替え」があります。

銘柄変更時には、新規採用となった銘柄が値上がりしたり、採用除外となった銘柄が値下がりしたりといった動きが出ることがあります。

TOPIX

日経平均株価と並ぶ株価指数にTOPIXがあります。日経平均との違いは、全銘柄を対象としていることと、時価総額の大きい銘柄に影響されやすいことです。

もう一つの代表的な株価指標

ニュースなどでも馴染みのある日経平均株価ですが、値がさ株(相対的に株価水準が高い銘柄)の値動きに過剰に影響されるという癖があります。これを補完するために、東京証券取引所が1969年7月1日から独自に算出している指数が「東証株価指数(TOPIX)」です。

具体的には、東証1部に上場された全銘柄の時価総額*(株価と発行株式数を掛け合わせた額)をもとに計算します。1968年1月4日の時価総額を「100」として、現在の時価総額はどれぐらいの数字になるかを示しています。

【用語解説】時価総額
企業の発行済み株式数と株価を掛け合わせた数字。企業の価値を示す指標とされる。

日経平均との違いは、東証1部に上場している全銘柄を対象にしていること、日経平均株価に比べ、特定業種・企業の株価の動きによる影響を受けにくい利点を持っていることです。ただ、時価総額の大きい銘柄(輸出関連、銀行など)には影響されやすいという欠点もあります。

日経平均もTOPIXも日本を代表する株価指数ですが、算出方法が違うため、日経平均は上げているのにTOPIXは下げている、ということも起こります。

日経平均株価との関係に着目した「NT倍率」

日経平均株価とTOPIXの関係に着目した指標に「NT倍率」というものがあります。

NT倍率 = 日経平均株価 ÷TOPIX

で求められます。NT倍率はおおむね10.0 ~ 10.5前後で推移しています。

日経平均は輸出関連・ハイテクなどの値がさ株による影響が大きいのに対し、TOPIXは、大手銀行株や内需関連株など時価総額の大きい銘柄による影響が大きくなります。

したがって、NT倍率が大きくなる時は、日経平均の上昇率がTOPIXの上昇率を上回っている時で、輸出関連・ハイテクなどの値がさ株が上昇していると考えられます。NT倍率が小さくなる時は、TOPIXの上昇率が日経平均の上昇率を上回っている時で、銀行株や内需関連株などが上昇していると考えられます。

なお、株式投資信託の中でもわかりやすい商品設計がなされているインデックスファンド*やETF(株価指数連動型上場投資信託)*のなかには、日経平均連動タイプと、TOPIX連動タイプがあります。インデックスファンドやETFを購入する場合、どちらに連動するのかを確認しておきましょう。

【用語解説】
インデックスファンド

日経平均株価やTOPIX、米国ではダウ平均株価のような株価指数(インデックス)と基準価格が同じ値動きをすることを目指す運用をする投資信託のこと。
ETF(株価指数連動型上場投資信託)
株価指数、商品価格、商品指数などの値動きに連動するようにつくられる投資信託。株式と同様、証券会社を通じて売買できるメリットがある。

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