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お金を増やすための根幹とは 「馬券裁判 ─競馬で1億5000万円儲けた
予想法の真実─」

著者:卍
出版社:メタモル出版(2015/7/21)

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こんな人、こんなシーンにおすすめ

  • 株式投資、FX、不動産投資をやってるが、暴落が怖いと思う人
  • 株式投資、FX、不動産投資の資金管理について学びたい人
  • 株式投資の銘柄選び、FXの売買タイミング、不動産投資の物件選び、などについて研究したい人

競馬から学ぶ投資の構え

まず、この本は競馬の本ではありません。
いえ、競馬の本ではありますが、競馬のこと以上に大切な、「投資の教え」「心構え」について学ぶことができます。
この本の前半ではタイトル通り「馬券裁判」、つまり著者の卍氏が競馬の儲けに対する課税を不服として裁判所で争い、勝訴を勝ち取るまでの経緯が描かれています。
しかし、重要なのは後半です。
著者の卍氏がどのようにして競馬で利益を上げ続けることができたのか、その考え方の「枠組み」について解説しているのですが、この「枠組み」が投資の真実を語っています。

理論に基づき行動を続けた先に見えるもの

その「枠組み」とは何か?というと、大きく分けて2つあります。
1つ目は、「何に投資をするのか?」という着眼点です。
普通、競馬で馬券を当てようとする人は「1着と2着」を当てようと一生懸命に予想します。

しかし、著者の卍氏は、まず「1着と2着」を予想するという考え方を捨てて、「オッズのずれ」に注目することにしました。

※「オッズ」とは当たったときの返金率(増える倍率)を示すもので、オッズ2倍なら100円の当たり馬券は、200円の払い戻し、オッズ10倍なら100円の当たり馬券は、1,000円の払い戻しとなります。

通常、1着が予想される1番人気の馬は、オッズが1.2倍程度、つまり100円分を買っても120円程度にしかなりません。
一方、まず1着にはならないだろうという大穴の馬は、オッズが50倍程度、100円分で当たった場合には5,000円になります。
(しかし、めったに当たることはありません。)
それでは卍氏はどのような馬を狙ったかというと、本来は1着を取れる実力があったのに、たまたま不運が続いたり、不得手なコース設定(芝とかダートとか短距離・長距離だとか)だったために5着や5着というレースが続いた「不運な馬」が、人気が下がってオッズが高まっている、つまり「人気とオッズのずれ」が発生している馬をひたすら購入していく、という手法を取りました。

こういう馬は、「期待値」が上がっている状態になります。

※ギャンブルにおいて掛け金に対して戻る金額の「期待値」とは、戻ってくる「見込み」の金額を指します。
通常、ほとんどのギャンブルでは「期待値」は1万円に対して必ず1万円以下になりますが、
このような馬については「期待値」は1万円に対して1万円を超える可能性があります。

しかし、そのような期待値を発揮させるためには、限りなく大きな数を試行する必要があります。
これを「大数の法則」と言います。

※「大数の法則」とは、例えばサイコロの数字が出る確率はそれぞれ6分の1であるけれども、10回程度の少ない数を転がした場合には、同じ数字が連続して出る一方で、まったく出てこない数字も存在する。

しかし1,000回以上サイコロを振った場合には、1〜6の数字がほぼきれいに6分の1に分散して出ます。
これを「大数の法則」と言います。
要約すると、「期待値が1万円を超える馬」を探し出し、1,000回連続して買い続けるという行為を続けたのです。

これを成功させるためには、
・100回連続で外れたとしても破産しないような資金管理(1回あたりの投資額を下げる)
・100回連続して外れたとしても揺らがない、自分の理論に対する確固たる信念
が必要になります。

卍氏はその結果、ギャンブルと言われる競馬の世界において、億単位の資産を築き上げました。

以上のことを、私たちの投資行動に応用してみましょう。

まず私たちは、投資先を選ぶに当たって、理論を学ぶ必要があります。
それは株式投資ならPERやPBRかもしれませんし、不動産投資ならば収益力(利回りやROI)、担保力(積算評価)、稼働力かもしれません。

そして、その理論に基づいた投資先を選び、資金を投じる訳ですが、必ずしも成果が出るとは限りません。
ときにはハズレ(=失敗、損失)が連続することがあるかもしれません。
しかし、理論的に正しい行動を取っているならば、それを1,000回続けていればトータルではお金が増えるはずなのです。
そのためには、1回あたりの投資額を下げる必要があります。
失敗が連続したとしてもマーケットから退場させられないよう、投資額を下げ、そして損切りを徹底させる必要があります。

そして、損切りが続いたとしても、「私は理論的に正しいことをしている。大数の法則が味方をしてくれる。」と自分自身に言い聞かせる必要があります。

新聞やニュースが世の中の終わりを叫び、「株式投資は終わった」「不動産バブルが弾けた」と報じたとしても、自分の信念に基づいて、期待値が高い行動を続ける必要があるのです。

結局、投資で成果を出すためには理論や知識だけでなく、それを成果に繋げるための「信念」と、「資金管理」が必要になります。

一方で、信念のない人の投資、資金管理ができない人の投資は場当たり的で、相場に振り回され、ギャンブル的になってしまう可能性があります。

この本は、競馬のようなギャンブルであろうが、株式投資や不動産投資であろうが、お金を投じて増やそうと考える人が、やるべき根幹の部分は同じなのだ、ということを、教えてくれる本です。

書籍の評者

束田 光陽
ファイナンシャルアカデミー認定講師 ・不動産投資家

サラリーマン生活に不安を感じ不動産投資を開始。現在の年間家賃収入は3,000万円以上。その実績と経験を基にした講演は抜群の説得力。『束田講師の落語のような授業を話を聞くために通っている』という受講生は多い。

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束田 光陽