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背伸びをしない等身大の起業論 しょぼい起業で生きていく

著者:えらいてんちょう
出版社:イースト・プレス (2018/12/16)

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こんな人、こんなシーンにおすすめ

  • 一度「起業」を経験してみたい学生の人
  • 勤め先に嫌気がさした人
  • 不動産投資をはじめようかと思っている人

キラキラした「イケてる起業」ではない、「誰でもできる起業」

著者は「サラリーマンが嫌だ」と言う理由で、自分で起業した通称「えらいてんちょう」。
とにかくお金をかけず、とにかくリスクを少なく「しょぼい起業」で食べていくためにどうしているかを赤裸々に描いた書籍です。
「起業」という言葉だけでは何やらITやらベンチャーキャピタルやら華やかな印象を抱きがちですが、本書は本当の意味での「等身大」の起業・独立・開業がどんな感じで始められるかについて実体験も含め簡単に解説している一冊です。

重たく考えず、自分でできる範囲の「起業」にトライしよう

私自身は最近忙しくてあまり本が読めてなかったのですが、SNS上で話題になった本書を一読したら予想よりずっといい本だったので紹介します。
キラキラした、意地悪な言い方をすれば歴史上の偉人の話を読むような昨今の起業論からは一線を画する内容でした。いわば、私たち普通の人でも一歩を踏み出せそうな「実際に役立つ」起業論でした。
特に共感したのが、「アイデア→事業家」ではなく、「できそうなこと→事業家」という点です。自分で出来そうな事からとにかくコストをかけずに事業家する、必要なことが起きたらその都度必要な手を打てば良い…というその発想は、実際に海外で起業した私にも身に沁みる言葉でした。一見ハードルが高そうな「起業」を少し優しく見せてくれ、そして何より著者が実践した話なので説得力もあります。
実際の「しょぼい起業」となるともう少し具体的な話も欲しいところですが、ただこういったテイストの本は今までなかったので個人的にヒットでした。また、昨今「信用経済」というと何やら「やりがい搾取」の匂いがして「ちょっと怪しい」と身構えてしまう私ですが、本書で表現されているような信用経済であれば、実際に仕事の中でも起きる話なので非常に共感できる部分が多かったです。

「起業」という言葉だけを聞いて、反射的に遠い世界のことと感じるのではなく、例えば狭小ワンルームマンションの投資から始めるのも立派な「起業」であるという当たり前の事実を思い出させてくれた良書でした。

書籍の評者



野瀬 大樹
公認会計士・税理士

大手監査法人にて、株式公開支援業務や法定監査業務などに関わった後に独立。会計や税務に関するセミナーを多数行うほか、日本企業のインド進出を支援する法人を設立し代表も務める。

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野瀬 大樹