ちょっとのぞき見「となりの家計簿」 前編

2019年6月28日更新

「そんなに無駄遣いはしていないはずなのに、なぜかお金が貯まらない」という悩みを持ったことはないでしょうか。お金が貯まらない理由には、一定のパターンがあります。この記事の前編では、家計相談の事例から、家計改善の法則や支出が多くなる理由を解説します。

あなたなら、どんなアドバイスをしますか?

まず、コンサルタントになったと思って、次に掲示する家計簿について家計改善のアドバイスを考えてみましょう。

家計相談①「なぜかお金が貯まらない」Aさん

相談者のAさんは、30歳女性、品川で働く会社員で独身です。月給は手取り25万円、趣味は旅行、35歳会社員の恋人あり。吉祥寺徒歩8分の1Kマンションで一人暮らしをしており、家賃は8万2,000円です。両親は横浜の持ち家に住んでいます。無駄遣いをしているつもりはないけれど、なぜかお金が貯まらない、それがAさんの悩みです。現状の家計簿は上図左表にあるとおりです。

Aさんのお悩みに対して、プロからのアドバイスはこうでした。
ファイナンシャルプランナー:「収入の2割を先取り貯蓄しましょう。まずは保険や通信費などの固定部分をカットすれば、手間やストレスなく貯蓄にまわせますよ。」

家計相談②「貯めどきなのに貯められない」Bさん

相談者のBさんは、38歳女性、介護職のパート勤務で夫と子ども3人(10歳・7歳・5歳)の5人家族です。月給は、自分が手取り4万円、夫が手取り25万円、児童手当が3万5千円です。10年前にオール電化の一戸建てを購入しました。子供が小さい間にお金を貯めたいものの、なかなか貯蓄が増えず老後が不安、というのがBさんの悩みです。現状の家計簿は、上図右表の通りです。

Bさんのお悩みに対して、プロからのアドバイスはこうでした。
ファイナンシャルプランナー:「保険料が高いようですね。養老保険で貯蓄もしているということですが、自分や夫の保険を掛け捨ての定期保険に見直すことで支出を抑えられそうです。住宅購入が10年前なので、住宅ローンの借り換えも検討してはいかがでしょう。」

いかがでしか。プロのアドバイスを見て、同じようなことを思ったという人もいるかと思います。また、アドバイスは思いついたものの、自分では「できていないこと」と躊躇した人もいるかもしれません。人にはアドバイスができるけど、なぜ「自分」はできないのでしょうか。ここからは、頭ではわかっているけれどなかなかできないことを、実際に「できるようになる」ための家計改善の法則と支出が多くなる3つの理由をみていきましょう。

家計改善の法則 3つの節約のポイント

住居費、医療費、光熱費、通信費、食費、保険料、洋服代、美容代、どれも頑張れば削れるかもしれないけれど、全てを削るのは大変そうです。このような家計改善の優先順位には法則があります。3つの節約ポイントをご紹介します。

①金額が小さいものより、「大きな」もの

例えば、光熱費や食費は減らすには努力がいりますが、金額は小さく、頑張った割に効果も小さいものです。一方で保険料や家賃は金額が大きく、見直しの効果も大きくなります。

②我慢が必要なものより、「我慢しなくてよい」もの

例えば、食費や洋服代を削減するには、日々の買い物のたびに我慢が必要になります。
一方で保険料は、よく検討し一度見直せば、日々においては特に我慢しなくても効果が持続します。

③効果が続かないものより、「継続する」もの

例えば、小遣いや美容代は減らしても、様々な誘惑によってすぐにリバウンドしてしまいがちな費目です。一方、通信費や家賃は、一度見直せば、努力をしなくても継続できます。

家計改善の優先順位としては、まずは金額の大きなもの、我慢しなくてもいいもの、そして継続するものから検討をします。家賃、保険料、通信費、習い事代、定期購読・定期購入しているもの、などの毎月一定額を支払っている「固定費」と呼ばれるものの多くがここに該当します。口座引落やカード払いになっていて、日頃意識することは少ないかもしれませんが、だからこそ、見直しをすれば効果も大きく、我慢しなくても継続することができます。

支出が多くなる3つの理由

「なかなか支出が減らせない」理由には、3つのパターンがあります。理由によって取り組み方も変わるため、以下で解説をしていきます。

①自覚はあるけど、「減らすこと」ができない

「減らすこと」ができない理由は「我慢が必要なもの」を減らそうとしているケースが多いです。例えば、スイーツ大好きの人がケーキを我慢するのは困難なものです。こういう場合には、急に大きな目標を立てて減らそうとしてはいけません。大きな目標の実現が見通せず、モチベーションは下がるばかりです。もしケーキを週に2日食べているとしたら、隔週で1日に減らせないかなど、まずはほんの少しずつから確実に減らせそうな量を模索してください。それが出来たら更に少し減らす、というように段階的に取り組んでいきましょう。

②「無意識」のうちに増えている

「無意識」のうちに増えている、それはつまり「浪費」しているということです。この場合は、無意識で使っているものを明らかにすることからはじめます。具体的には、家計簿をつけて支出を見える化します。家計簿は「続かない、面倒だ」と思う人も安心してください。家計簿のつけ方には、さまざまな方法があります。これまで挫折した人でも簡単に続けられるいくつかの方法について、後編で紹介しますのでぜひ参考にしてください。

③「こだわり」

「こだわり」は、あなたの趣味や魅力であることが多いでしょう。③のこだわりは、日々の活力や仕事のモチベーションになっているかもしれません。こだわりは、あなたにとっては投資であるとも考えられます。だからこそ、①,②を減らし、③は減らさない。という捉え方もあり得るでしょう。何から何まで支出を抑えてお金を貯めることが目標ではありません。無駄は徹底的に省き、こだわりや自分にとって大事なことにはしっかりお金を使う、というメリハリを持ちながらお金が貯まる状態こそが家計管理の理想の姿です。

また、家計改善の一歩として「今日からはじめられること」を具体的に書き出してみることで、実現性が高まります。例えば、「保険料を減らすために、ネット検索をする。削減金額目標は3000円」などと、小さなアクションでも良いので、今日からやることを3つ書き出してみましょう。

前編では、家計相談の事例、そして家計改善の法則と支出が多くなる3つの理由をご紹介しました。後編では、家計簿が続かない理由と、家計簿のつけ方4つを解説します。

ちょっとのぞき見「となりの家計簿」(後編)はこちら

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