【配当・優待銘柄の賢い選び方】利回りだけで判断してはいけない理由

2025年10月17日

日本の上場企業の多くは3月決算を採用しており、それに伴って9月と3月に配当や株主優待の権利確定日が集中します。特に中間配当を実施する企業が多く、投資家にとって年に2回の大きなチャンスとなっています。

こうした時期には「配当利回りランキング」などを参考に銘柄を探す投資家が増えますが、利回りの高さだけに注目するのは注意が必要です。配当利回りが高く見える背景には、株価下落や業績の不振といった要因が潜んでいるケースもあるため、企業の成長性や財務の健全性もあわせて確認することが大切です。

高配当株の落とし穴

配当利回りは「1株あたりの年間配当金÷株価」で計算されます。つまり、配当金が同じでも株価が下がれば利回りは上昇します。一見魅力的に見える高利回り銘柄でも、実際には業績不振で株価が下落しているだけのケースが少なくありません。

実際、業績が悪化すると減配や無配のリスクが高まります。高配当株として人気だった銘柄が大きく減配した事例は数多く存在します。減配が発表されると株価も急落するため、配当収入の減少と株価下落のダブルパンチを受けることになります。

優良銘柄を選ぶための必須チェックポイント

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配当・優待銘柄への投資で失敗しないためには、以下のポイントを確認することが重要です。

1. 業績の成長性

売上高や営業利益が着実に伸びているかを確認しましょう。業績が悪化傾向にある企業は、配当や優待の減少・廃止のリスクが高く、株価下落の可能性も大きくなります。過去数年間の業績推移をチェックし、安定した成長または維持ができているかを見極めることが大切です。

2. 割安性の確認

PER(株価収益率)などの指標を使って、業界平均や同業他社と比較して割安かどうかを判断します。業績に対して株価が適正水準にあるか、または割安な状態にあれば、将来的な株価上昇も期待できます。単に利回りが高いだけでなく、投資価値があるかを見極めましょう。

3. 株価トレンドの確認

上昇トレンドにある銘柄を選ぶことが理想的です。調整局面での押し目買いは有効な戦略ですが、長期的に下落トレンドにある銘柄は避けるべきです。下落トレンドにある銘柄は、配当利回りが高くても何らかの構造的な問題を抱えている可能性があります。

【まとめ】総合的な判断が成功の鍵

配当・優待銘柄への投資は、定期的な収入が得られる魅力的な投資手法です。しかし、配当利回りの高さだけに注目するのではなく、以下の観点から総合的に判断することが重要です。

  • 業績の成長性と安定性
  • 割安性の確認
  • 株価トレンド

これらのポイントをしっかりと確認しながら銘柄を選ぶことで、長期的に安定した配当収入を得られる可能性が高まります。利回りの高さだけで判断するのではなく、将来にわたり成長と還元を続けられる優良企業を見極めることが、配当・優待投資の成功の鍵となります。

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この記事のライター
小野原 薫
小野原 薫
ファイナンシャルアカデミー認定講師(投資信託スクール専任講師)/ファイナンシャルプランナー/相続診断士

大手証券会社で資産運用業務に従事する中、顧客目線の中立的な金融経済教育に意義を感じファイナンシャルアカデミーに参画。専門知識と親しみあるキャラクターを活かし、授業のみならず各種メディアでも活躍中。

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