コイちゃんの不動産実践日記

【Story4】一戸建ての賃貸?!

先日、仲良くしている業者さんから来た物件情報。いつもとはちょっと違って、なんと一戸建ての賃貸物件なのです。今まではワンルームやアパート、一棟売りビルなどでしたが、普通の一戸建ての賃貸とは、めずらしい。それも賃借人付きで売りに出てるんです。土地付き一戸建てなのでローンも付きそうなので、と〜っても興味大っ!

真夏の日差しの中、早速物件へGO!
いつものごとく、物件チェックシートを持って、まわりをチェック。でも一戸建ては初めてだから、どこを見て良いのかわからないなぁ〜。築30年以上経っているので、はっきりいって汚いし、住めと言われれば住めなくはない、と言う程度。でも1000万円でこれが買えるなら悪くないか・・・等と心の中でつぶやく。

良く基準がわからないが、とりあえず一般的な所をチェック!
まずは日差し。同じような二階建ての家が並んでいるけど、ちょっと離れているから、一階は日当たり悪いけど、二階のバルコニーは良し。洗濯物も乾く。。
つぎは、壁。ひび割れも多少はあるが修繕済み。ペンキか何か塗ってある様子。隣近所を見ると同じようにひび割れが少しあるけど修繕していないから、それよりは管理が良いことがわかる。

玄関に回って見てみると、かなり古いドアがついていた。昔の木のドアという感じで、お世辞にもかっこいいとは言えない。最近のマンションなんかエントランスの豪華さでごまかしている物件が多い分、この戸建て物件は、思いっきり古さが目立つ。でも、1000万円だからなぁ〜・・・。

遠くから屋根を見ると、瓦ではなくトタンのような素材で、これまたダサイ。これが屋上バルコニーでもあって、夕日を見ながらビールでも飲めれば、実需用として価値がでるのにな〜〜っと、まだ購入もしていないのに将来の転売の為のリフォームまで考えてる私。

※実需とは・・・・・・・・・
一般に売りに出ている不動産は、大きく投資用か実需(住む為)に分かれる。投資用は買って賃貸して毎月のインカムゲインを得る為の物で、家賃に対して何%という事で売買相場が決まるが、住む為に買う実需用の場合は、見晴らしが良いとか、キッチンが広いとかで、価値が大きく変わってくる。この物件の場合、賃借人が出て空室になったら、見晴らしを良くして付加価値を出すことにより、高く転売できる可能性がある。

他にどこを見れば良いか、全くわからない。でも土地付き一戸建てで利回り12%!今まで見てきたワンルームなどより条件は良い。賃借人も10年以上住んでいて、引っ越す予定も無いようなので、まだまだ住んでいてくれると思うし、仮にもし引っ越しして空室になったら、今どきにリフォームしてもう少し高く貸すか、土地付き一戸建てで2000万円くらいで売れるかもしれないし。。。

と色々考えているうちに 、希望がふくらんで、この物件を好きになっちゃった。。
ダメダメ!投資は感情で考えてはいけない。あくまでも数字だ。利回り、空室率、人口推移、リフォーム費用・・・等々を予想し、考えながら見ていくものだ。良い物件は惚れてしまいがちだが、感情は抜きに考えよう。

と、早速情報をくれた業者へ連絡。
家賃は?滞納はある?何年住んでいる?どんな職業の人が住んでいる?売り主が手放す理由は?すぐに売り払いたいか?抵当はついているか?今までの改修箇所は?その改修費用は?賃貸契約書はある?敷金は何ヶ月分預かっている?・・・・・
だぁ〜〜っと質問を並べ、確認してもらうが、やはり色々問題が出てきた。
※改修費用とは・・・・・・・・・
文字のごとく、家のリフォームや修繕をする為の費用。

まず、売主が売りを急いでいる。これは一般的にとても良いこと(以前にも書きましたが急いでいる人から買う場合、価格交渉がしやすい)ですが、売りを急いでいる理由を聞いてみなければわからない。この物件の場合は、賃借人と売主(家主)とのトラブルが原因のよう。

ただ単に今すぐお金が欲しい!というのではなく、賃借人とトラブルになっているから手放したいという場合は、家賃の入っている「家という資産」を今すぐにでも手放したいくらい、トラブっていると言うことが考えられる。探り探り聞いてみると、以前から賃借人がこの家を買いたいと言っていたようで、それに応じなかった為、こじれてしまった模様。

この情報を聞いただけで、「この賃借人はトラブルメーカーだ!」と感じた。
よっぽどのことがない限り、利回り12%も回る物件を手放したりはしないはず。だってそうでしょ?売主は普通のサラリーマンのようで、家賃収入の毎月10万円は悪くないはず。その10万円を手放してまで賃借人と縁を切りたいということは、結構こじれているはず!まずはこの理由を詳しく調査してみよう。

聞けば聞くほど、問題がいっぱい!
賃借人は火災保険に入っていないし、敷金も一ヶ月分以下しか預かっていないし、賃貸契約書もないし、賃貸契約を結ぶ際の保証人も取れるかどうかわからないし・・・・。問題は山ほどある。

ただし、この問題が多ければ多いほど、一般の人は手が出しづらく価格交渉がしやすいので、利回りが良くなる。このトラブルも後何十年もある大家さん人生の中で勉強になることが多いとプラス思考で考え、前向きに検討してみよっか!

でも、プラスの面もあるんですよ!
賃借人がうるさい分、まわりの家に比べてきれい。23区内で1000万で一戸建て。利回り12%。おそらく引っ越ししないだろうから利回りが保証される。古くなったら再築が可能。となりが駐車場。日当たり良し。リフォームすれば転売可能。。。結構良いところ、あるでしょ♪

家に帰って早速、路線価をチェック。この土地はどれくらいの価値があるのか、売値より高いのか、安いのか。マンションの場合は比較的重要ではないが、一戸建ての場合は、土地値が重要だからな〜。

とりあえず3年間の価格推移を追ってみることに。全国平均も都内平均も、3年間下がり続けている。関西などでは地価が一年で10%以上下がっている場所もあるようで、そういう場合は来年以降もまだまだ下がる可能性が十分ある。5%以下が続いているなら、まあ下げが緩やかになっているか、下げ止まっている可能性があるので、下げ率は結構重要なポイント!

で・・・この土地はというと、三年間、毎年、2~7%の下落。う〜ん、微妙ぉ〜〜。下げは緩やかになっているけど、まだ下げそう。 土地価格を調べてみると、750万円くらいだった。一般的に路線価というのは、実際の取引価格の7掛けといわれているから、まあ1000万円は普通だろう。特に安くもなければ高くもない。ただ、付加価値をつければ高くなる可能性はある!

ちなみに近所に、大きな幹線道路を建設中だったので、近いうちには便利になって、人気のある場所になるかもしれない! この続きはまた後日。。

ところで、みなさんは、物件見てますか?私は毎月たくさんの物件を見ていますが、日々見る目が変わってきて、勉強になっています。今すぐ購入の予定が無くても、業者へ問い合わせして図面をFAXでもらい、その物件を実際に見ることから始めて下さい!

悪いことは言いません。不動産投資は「見る量の多さ」と「情報量」「行動のスピード」が命です! (なんか営業っぽいな・・・)

このコラムは2008年の情報を元に制作しております。