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「サプライズ10大予想」から読み解く日本の景気2019

アメリカ・ウォール街の御意見番、バイロン・ウィーン氏が
毎年恒例の「サプライズ10大予想」を発表しました。

一般投資家は発生確率30%と予想するが、
ウィーン氏は50%の確率で起こると予想しているため「サプライズ」と定義されています。

しかし、ここ数年の的中確率は落ちてきているようですが、
世界中が注目していることに変わりはありません。

2019年は、日本に関する直接の記述がなかったことが残念でした。
また、北朝鮮問題への記述もありませんでした。


(1) 強気ながらも、今年は控えめな楽観モード「サプライズ10大予想」

ウィーン氏の予想は、今年で34回目。
例年は実数を示した予想でしたが、今年は相対的な内容にとどまり、
状況が流動的であるとの見方を示しているようです。
中国と苛烈な貿易戦争を繰り広げているため、さらに予想が難しくなった印象は否めません。
米中両国の相互関税の引き上げにより両国経済は悪化し、
日本の景気も足を引っ張られてしまうことでしょう。

1.世界経済が弱まり、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを停止する。
└インフレは抑制され、10年債利回りは3.5%で推移。
└長期金利が短期金利を上回る「順ザヤ」を保つ。

2.S&P500(米の代表的な500銘柄株価指数)は2019年に15%上昇する。
└穏やかな金利環境で企業収益が改善することで、株価上昇が可能に。

3.資本支出や住宅の伸びは控えめになるが、2021年より前に景気後退は起こらない。
└消費者・政府の支出により景気拡大が続く。

4.金融市場や米株を含む各国株式相場の回復を受け、金先物は1,000ドルまで下落。

5.新興国市場の企業収益見通しが改善し、投資家の関心が強まる。
└株価収益率(PER)は先進国や過去と比べて魅力的。上海総合は25%高を遂げる。
└ブラジル株式市場も新たな保守政権の下で生き返る。

6.英国のEU離脱期限である3月29日までに、合意に至らない。
└メイ英首相は留任、2度目の国民投票でEU残留が決まる。

7.年を通して米ドル相場が2018年末の水準で安定する。
└FRBはバランスシート縮小を停止し、ドル安要因に。
└金融政策の軟化と企業の資金需要の欠如から、米国への資本流入が鈍化する。

8.FBIによりトランプ大統領の側近が起訴されるが、
 大統領がロシア介入疑惑に直接関与した証拠は出ない。

9.民主党多数の下院は、特に通商政策において期待を上回る成果を上げる。
オバマケアの重要部分は維持され、2020年のインフラ支出実施が発表される。

10.米市場では引き続き成長株が主導する。
└テクノロジーとバイオの企業収益改善が続き、好パフォーマンスに。
└エネルギーを除くバリュー株は経済鈍化により期待外れに。


(2) 日本の景気にプラス要因はあるか

今年の景気をリードする役目を果たすのは設備投資となりそうです。
慢性化した人手不足を背景として、省力化投資が中心となって拡大する可能性が高いです。
そこに、国土強靭化のためのインフラ投資をする公共投資も加わります。

消費税率引き上げの影響は懸念されますが、プレミアム付き商品券、
キャッシュレス決済によるポイント還元など、影響軽減策が大盤振る舞いされ、
その効果によってはマイナス要因になりえないでしょう。

昨年のGDP(国内総生産)実質成長率は、夏の大規模な災害もあり0%台後半とみられ、
日銀の金融政策動向については、現状維持となりそうです。
長期金利誘導目標の引き上げは来年、もしくは再来年となるでしょう。

今後3年以内にリーマンショック後のような深刻な景気後退はないと見ていますが、
ウィーン氏も控えめな予想に留まっていることからもわかるように、
未来の予想に「絶対」はありえません。
現状の課題や過去の失敗から、未来に向けて対策を準備しておけるかどうかが肝要です。


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著者プロフィール
中村 亨

コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング代表。公認会計士。
監査法人トーマツを経て会計事務所を開業。600社程のベンチャー企業の経営・財務に携わる。

2005 年に株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング(現日本クレアス税理士法人)を設立し、約100人のプロフェッショナル集団を築き上げる。著書に『「俯瞰」でわかる決算書』(ダイヤモンド社)、『不況でも利益を生み出す会計力』(東洋経済新報社)など。

日本ファイナンシャルアカデミー株式会社監査役、 一般社団法人金融学習協会理事。


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