
44兆円──これはこの数年で財政危機をむかえたギリシャが背負っていた借金です。対して日本の借金は、1100兆円だと言われています。この数字だけを見れば、「このままでは日本の経済は破綻する!」と考える人がいるかもしれません。
実際、国民の感情を煽るように日本の経済破綻を訴えるメディアもあります。
でも、それは正しくありません。お金、あるいは経済というのは、特定の数字だけを追っても見えないことがたくさんあるのです。
情報や数字を冷静に、多面的に捉えることができる
日本政府の借金が1100兆円である一方で、日本人が持つ個人金融資産は1500兆円以上あります。さらに政府が保有する金融資産も500兆円以上です。
合計すると2000兆円ですね。もちろん、このことだけで言い切れる単純な話ではないのですが、日本をひとつの家族として考えると、借金どころか900兆円もの貯金があるのです。
つまり、ギリシャと比べて日本の借金が20倍以上あるからといって、一概に日本が財政危機になるとはいえないのです。
日本のフトコロ事情を再確認!
| 日本の借金額 | 1100兆円 | ||
| 日本人の個人金融資産 | 1500兆円 | ||
| 日本の金融資産 | 500兆円 | ||
| 20代の平均貯蓄額 (単身世帯) |
183万円 ※中央値=30万円 |
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| 30代の平均貯蓄額 (単身世帯) |
415万円 ※中央値=30万円 |
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| 20代前半の平均年収 | 246万円 | ||
| 20代後半の平均年収 | 339万円 | ||
| 30代の平均年収 | 414万円 |
参考:国税庁「民間給与実態調査」平成25年度
※中央値とはデータを大きい順に並べたときに、真ん中に位置する値のこと
このようにお金の正しい知識は、私たちが日々正しい判断をしていくためには、欠かせないものだといえます。
近年、インターネットやSNSの発展などによって、好むと好まざるとにかかわらず、本当に多くの情報が入ってくるようになりました。また、不確かな情報を誰でも簡単に発信できる時代でもあります。そんな時代だからこそ、正しく情報の取捨選択ができるように、しっかりとしたお金の教養を身につけたいものです。
得意先や上司に説明するときには「数字」を使おう
どんな情報でも、根拠を表す数字が大事。正確な数字を使って話すと、あなたの説得力は一気に増します。