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給料日が廃止される!?デジタル報酬時代の到来!

今年10月に予定されている消費税率引き上げの影響軽減策のひとつとして、キャッシュレス決済が話題となっています。

キャッシュレス化が進展している国は、全体の取引額の40~60%、韓国では89%がキャッシュレス取引と圧倒的な数値を叩き出している中で、日本の割合は20%と、非常に遅れている感は否めません。
政府は2027年までに40%台に乗せることを目標としています

国内でキャッシュレス化推進が熱を帯びる中、給与も電子マネーで簡単に受け取れるように、と規制の見直しが検討されています。
フリーランスで働く人向けの「デジタル報酬」の仕組みが広がったことがきっかけとなりました。

働いたその日に電子マネーで報酬を受け取ることができる仕組みは
働き方改革の根本を支える可能性になると評価する声もあり、
実現すれば、企業と従業員双方のメリットが大きい点でも期待されています。

今回の【ビジネスEYE】では、デジタル報酬時代について見通してみましょう。
(参考:日本経済新聞/2019年5月18日)

1.働き方改革実現の可能性を秘めている

企業がデジタル報酬の仕組みを導入した場合、従業員は申請したその日、もしくはその瞬間に給与を受け取ることができます。
給与を受け取るのは通常1か月ほど先になるので、入社して間もない人にとっては非常にありがたい、夢のような話かもしれません。

受取りが通常の給料日に左右されないため、企業の手間が増えるように感じるかもしれませんが、この仕組みの場合、金融庁に登録されている「資金移動事業者」が振込を代行するため、むしろ手間はなくなり、本来の業務に集中できるため、生産性を向上させることも可能です。

また、これまでの【ビジネスEYE】で日本の人手不足対策として外国人労働者の受入れが急務であると触れてきました。

2018年には146万人を受入れていますが、実際に雇用するとなると、6か月以上滞在しないと銀行口座を作れないという外為法の縛りがあるため、半年も銀行口座で給与を受け取れないという高いハードルに阻まれることになります。
しかしながら、デジタル報酬であれば口座を持つ必要はありません
簡単に給与を受け取ることが出来るので、定着率がUPし労働力確保の可能性が上がります。

現在は、働いた対価を電子マネーで受け取れるのはフリーランスの個人事業主が中心で、企業に雇われている従業員の給与は、労働基準法によって原則現金手渡しで行い、例外として銀行口座を認めるという厳しい制限が課せられています。
厚生労働省は、この規制緩和に向けて審議する予定で、事業者を絞るなど厳格な基準を適用するようです。

人手不足の解消が働き方改革の一助になるとすれば、デジタル報酬の仕組みが果たす役割も大きなものと言えるでしょう

2.誰にでも出来そうでいて出来ないこと

デジタル報酬には課題も少なくありません。
中心となる「資金移動事業者」の安定性確保にはまだまだ議論の余地がありますし、受取可能な金額に上限があるなど、利便性の追求も必要です。

しかしながら、この時代に企業が成長する上で生産性向上は外せないファクターであり、その点ではデジタル報酬のメリットは非常に大きなものと言えます

これまでにも銀行などの金融機関が同様のサービスを運用してはいましたが、テクノロジー企業がファイナンス分野に進出することで、より時代に即したインフラとして浸透しつつあるのだと思います。

所謂フィンテックによるイノベーションが付加価値として世間に認知された結果ではないでしょうか。

働いた分の報酬を好きな時に受け取れるという、誰にでも出来そうでいて出来ないことが実現できれば、キャッシュレス社会そのものや、銀行機能のデジタル化推進にもなります。更なる改革に繋がる可能性に期待したいですね。

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著者プロフィール
中村 亨

コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング代表。公認会計士。
監査法人トーマツを経て会計事務所を開業。600社程のベンチャー企業の経営・財務に携わる。

2005 年に株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング(現日本クレアス税理士法人)を設立し、約100人のプロフェッショナル集団を築き上げる。著書に『「俯瞰」でわかる決算書』(ダイヤモンド社)、『不況でも利益を生み出す会計力』(東洋経済新報社)など。

日本ファイナンシャルアカデミー株式会社監査役、 一般社団法人金融学習協会理事。


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