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相次ぐ起業 アフリカ席巻

日本企業がアフリカ市場の開拓に向け、現地のスタートアップ企業と協業するケースがこれから増えていきそうです。

アフリカに進出している日系企業は約500社。
1万社にも及ぶ中国企業の後塵は拝していますが、巨大市場の誕生を見据えて、大企業のみならず人員や資金に限りがある中小企業もアフリカへ関心を寄せており、今まさに起業熱の高まりを感じます

今回の【ビジネスEYE】では「相次ぐ起業 アフリカ席巻」と題して、巨大市場誕生前夜を見通してみましょう。(参考:日本経済新聞/2019年8月26日)

1.アフリカは最適なパートナーとなりえるか

先行きの明るさを感じられない日本経済において、企業が生き残り、さらに成長していくためにはイノベーションの促進は欠かせないものとなっています。

しかしながら、先日の「大企業、新興買収に足踏み」でも取り上げた通り、大企業のスタートアップへの投資件数は減少しており、イノベーションを促進する機会が失われつつあります。
人口の減少や高齢社会化などで、企業を存続させるため、本業回帰や既存事業強化に軸足を動かしたからに違いありません。

一方でアフリカの人口は現在約12億人。
2030年には17億人、2050年には25億人まで人口が増加すると推計され、25歳以下の若年層が60%を占めているため、巨大デジタルネイティブ市場となるポテンシャルがあると言われています。

従来から中心産業となっている農業分野に、電子決済を基盤とした「IoT」技術を持ち込み、換金支援を提供するサービスが人気となっているそうです。
何十kmも遠方の銀行に直接赴いての換金には多大なリスクを伴っていたのでしょう。
生産に集中することができる環境がウケているのだと思います。

ほかにも、病院等のヘルスケア関連ビジネスやドローン、衛星などの先端技術にも注目が集まっています。

近年は、欧米諸国からもアフリカスタートアップへの投資が活発化しており、投資額の8割は、南アフリカ、ケニア、ナイジェリアで占めています。
アフリカ最大のeコマース「JUMIA(ジュミア)」をはじめ、すでにイグジット(創業者やベンチャーキャピタルが株式を売却し利益を手にすること)案件も出始めているそうです。

ここまで見ると、すでに「最後のフロンティア」の印象も薄くなっているように感じますね。
競争も激しいため、もはやブルーオーシャン戦略は通用しないことでしょう。

2.日本にチャンスはあるか

日本がアフリカ進出するにあたってのメリットは「今ならスタートアップが社会インフラを作れる」点であるという専門家の話がありました。

郵便、電気・ガス、遠隔医療、不正薬物の検証など「将来の先進国にとって課題となる領域にアフリカで取り組めば、先進国に逆輸入できる」ところに勝機ありとみています。

ただし、市場が追いついてこれなかった場合、時間との勝負になります。
資金の少ない中小企業にとっては大きな不安材料となるのではないでしょうか。

また、地域共同体として各国をあわせれば人口規模は大きい、と言えますが、マーケットとしてひとまとまりにカウントできるかどうかは、物流インフラの整備、関税をはじめとする越境コストの低さ、マーケット内でのニーズの統一性に課題がありそうです。
政治が決めた共同体がビジネスにおいてすぐに機能するわけではありません。
アフリカの国境は恣意的に引かれたと言われていますが、独立から半世紀以上たった今、国の違いによる国民性や消費行動、商習慣の違いは予想以上に大きいとも思います。

どこにチャンスがあるのか、雲行きが怪しくなってきましたね。
25歳以下の若年層が60%を占めているため、会計担当者など通常の会社運営に欠かせない人材が不足していることは想像に難くなく、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入がカギになるかもしれません。

まずは、アフリカ企業との協業でコンタクト可能な窓口を見つけて、日本企業が存在感を示さないことには、激しい競争に勝ち残っていくのは難しいのではないでしょうか。

会計と聞いて、筆者も非常に興味深く動向をウォッチしはじめたところです。

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著者プロフィール
中村 亨

コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング代表。公認会計士。
監査法人トーマツを経て会計事務所を開業。600社程のベンチャー企業の経営・財務に携わる。

2005 年に株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング(現日本クレアス税理士法人)を設立し、約100人のプロフェッショナル集団を築き上げる。著書に『「俯瞰」でわかる決算書』(ダイヤモンド社)、『不況でも利益を生み出す会計力』(東洋経済新報社)など。

日本ファイナンシャルアカデミー株式会社監査役、 一般社団法人金融学習協会理事。


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