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仮想通貨は相続時にはどのように課税されるのか

中村亨の「ビジネスEYE」です。

4月14日に仮想通貨(暗号資産)交換業者コインベース・グローバルが米ナスダックに上場しました。これに続いて今後も株式公開する仮想通貨関連企業が出てくるのではないかと言われています。

昨今、ビットコインが高値を更新したニュースなども頻繁に出ており、何かと話題に事欠かない仮想通貨ですが、仮想通貨をお持ちの方に相続が起こった場合、どのように課税されるのかご存じでしょうか。

今回のビジネスEYEでは、「相続が起こった場合の仮想通貨の課税関係」について見ていきましょう。

仮想通貨とは

仮想通貨とは国や中央銀行などの公的な発行機関や管理者が存在しない、インターネット上で物品やサービスの対価に使用可能な通貨のことで、仮想通貨取引所と呼ばれるところで、円やドル等の実際の通貨と交換することができます。

なじみの深い呼び方は「仮想通貨」ですが、2020年5月1日、資金決済法の改正が施行された関係で、法令上は「暗号資産」と呼びます。

知名度の高いビットコインはこの仮想通貨の一種で、他にはイーサリアム、リップルなどがメジャーな仮想通貨として挙げられます。「通貨」といった名称ですので、もちろん通貨として利用するものですが、投資の対象として取引されていることのほうが多いのが現状です。

1.仮想通貨が相続税の課税対象となるか?

さて、本題の仮想通貨に相続税がかかるかどうかについてですが、答えはYESです。
以下、国税庁の公式回答ですが、こちらでも仮想通貨が相続税又は贈与税の課税対象になることが解説されています。

(以下抜粋)
「相続税法では、個人が、金銭に見積もることができる経済的価値のある財産を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税の課税対象となることとされています。仮想通貨については、決済法上、「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値」と規定されていることから、被相続人等から仮想通貨を相続若しくは遺贈、又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税が課税されることになります。」

2.仮想通貨の評価方法は?

そして、相続や贈与により取得した仮想通貨の評価方法についても明記されていて、活発な市場が存在するか、しないかによって評価方法が大きく2つに分かれます。

①活発な市場が存在する場合

課税時期(相続開始日)における取引価格によって評価することになっています。
つまり、取引所での為替レートを参照して日本円に換算します。外貨を相続申告する場合の評価方法と同じ考え方です。

②活発な市場が存在しない場合

その仮想通貨の内容や性質、取引実態等を勘案し、売買の実例がある場合は、その価額を参考に個別に評価していくこととなります。
ただ、マイナーな仮想通貨を有して相続が発生したケース自体がまだ少ないので、評価額の算定は税理士などの専門家に相談し、慎重に行う必要があります。

3.仮想通貨の問題点とは?

国税庁はどのような市場が「活発な市場」であるかは明言していませんが、主要な取引所や販売所で一般的に日々取引されている仮想通貨であれば、活発な市場が存在する場合の評価として差し支えないでしょう。

その場合、外貨と同じように為替レートを参照するだけで特別な評価を行わないので、厄介なのはマイナーな仮想通貨を相続してしまった場合ということになります。

ただ、仮想通貨の相続で問題となるのはマイナー通貨の評価だけではありません。
その性質上、取引がインターネット上で行われるため、相続人がその存在を把握しづらいという点にあります。

例えば、預貯金であれば通帳、株取引でれば運用報告書、保険であれば保険証券といった、目に見える書類がある場合がほとんどですが、仮想通貨取引の場合、パソコンやスマホで完結してしまい、紙媒体の書類が省かれている可能性が多いので見落としがちです。

最近では銀行、証券、生命保険も実店舗を有さない、ネット取引が台頭してきており、デジタル遺産の相続漏れというのが話題になりつつありますが、仮想通貨もこの例に漏れません。

単に、その存在に気が付かずに相続手続きが漏れ、継承できないだけならまだしも、税務署は把握していて、後の税務調査で財産の申告漏れを指摘されることで、多額の追徴課税が来てしまっては目も当てられません。

4.生前にやるべきことは何か?

そういった事態にならない為には、相続開始後に通帳の入出金履歴を確認したり、パソコンやスマホで取引ツールのインストールがないか、ブラウザのアクセス履歴がないかを確認して見つけるという方法もありますが、それよりも、やはり生前に準備をしておくことがなにより大切です。

本人であれば、取引をしている会社や手続きの方法を洗い出して、紙に書き出しておく、相続人であれば、取引の有無を事前に聞いて把握しておくことなどです。

調査レポート:見つけなければ遺産なし?「デジタル遺産」の管理方法とは?-相続に関する意識調査

日本クレアス税理士法人では、全国の30歳~69歳の男女を対象に実施した「デジタル遺産の管理方法に関する調査」を発表しています。

<調査結果のサマリー>
・85%がデジタル資産を所有、うち「電子マネー」がトップ。保有状況に年代差なし。
・デジタル資産を残すことに70%が心配を感じている
・デジタル資産を残すための相続対策方法は「紙に書く」
・相続対策を実際に行っているのは15%
・残す側・残される側も「情報の共有」が重要

>>レポートをぜひご参考ください。見つけなければ遺産なし?「デジタル遺産」の管理方法とは?-相続に関する意識調査

また、資産の洗い出しをするのであれば、税理士等の専門家に相談し、事前に仮想通貨の価格も含めた、資産の総額と、想定される相続税の算定をしてもらうのも良いかもしれません。仮想通貨は現在、急騰や急落を繰り返しており、数年先の評価額を想定することは難しいですが、現在の価格高騰により想像以上に相続税がかかる可能性もあります。

仮想通貨は通貨ではありますが、日本円の代わりとして、直接相続税を納税することはできません。納税資金の確保など事前の策を講じるうえでも、資産状況の把握は重要です。

仮想通貨をすでにお持ちの方も、これから始めようと思われている方も、この機会に現状の診断をされてはいかがでしょうか。日本クレアス税理士法人では、相続発生後の相続税申告から、ご生前の財産の試算まで、幅広いご相談を無料で承っております。

まずはお気軽にお問い合わせください。

<問合せ先>
日本クレアス税理士法人 相続サポートセンター
電話:03-3593-3243
お問い合わせフォーム:https://creas-souzoku.com/free-consultation-form/

 

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著者プロフィール
中村 亨

コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング代表。公認会計士。
監査法人トーマツを経て会計事務所を開業。600社程のベンチャー企業の経営・財務に携わる。

2005 年に株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング(現日本クレアス税理士法人)を設立し、約100人のプロフェッショナル集団を築き上げる。著書に『「俯瞰」でわかる決算書』(ダイヤモンド社)、『不況でも利益を生み出す会計力』(東洋経済新報社)など。

日本ファイナンシャルアカデミー株式会社監査役、 一般社団法人金融学習協会理事。


<新型コロナウイルス感染症に関する対応について>

2021年6月22日追記

当校では、受講生および講師・スタッフの安全・安心を最優先に考え、政府・東京都の最新の方針に則り、教室定員を緩和し、感染予防・拡大防止策を十分に講じた上で教室での講座を開催・運営しております。

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日本ファイナンシャルアカデミー株式会社
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