
5つの島について、それぞれ詳しく説明していきましょう。

【株の島の特徴】
株は、会社に投資する商品です。カンタンにいえば、会社が発行している株券を買うことで、その会社の所有者のひとりとなるのが株式投資です。
会社の所有者のひとりなので、当然利益が出たら相応の配当をもらえます。
もしもその会社が成長して、株券の価値自体が上がったとしたら、あなたの株による資産額も増えたことになります。
間違ってはいけないのは、株は投資であって融資ではないこと。したがって、株に投資したお金の保証(元本保証)はありません。
よく聞く投資信託(ファンド)は、いろいろな株を複数人で買う仕組みのこと。運用は、専門家が行うので、比較的リスクが小さいといえそうです。
株の島は、天気の移り変わりが激しいことが特徴です。
【債券の島の特徴】
債券とは、お金を貸して金利を得る商品です。代表的なものに、国が発行する国債があります。
株とは異なり、基本的には元本保証があるため、5つの島すべて(世界経済)の天候が悪いときには、債券にお金が流れてくる傾向にあります。債券には国債のほかに、企業が発行する社債や、外国の企業が発行する外国債券などもあります。
【不動産の島の特徴】
不動産とは、土地と建物を扱う商品です。不動産で資産運用する場合には、土地や建物を買って、値上がりしたタイミングで売る方法と、持っている土地や建物を他人に貸して家賃収入を得る方法の2種類があります。
安く買って高く売るという方法は、莫大な利益をもたらすことがある一方で、日本における土地の価格は停滞傾向にあります。家賃収入のほうも、日本全体の人口が減少期に入ったことで、一筋縄ではいかなくなってきました。
この不動産の島は、慢性的な曇天模様といったところでしょうか。でも、だからこそライバルが少なくなってくるという見方もできると思います。
【商品の島の特徴】
商品とは金、プラチナ、鉄、銅といった金属や、コーヒーやとうもろこしといった農産物、石油や石炭、ゴムといった原材料などを売買する商品取引を指します。
多くの場合、「先物取引」といって、需要と供給のバランスなどから商品の価格予想した取引が行われます。
みなさんもよく使うガソリンをイメージするとわかりやすいかもしれません。ガソリンの原料である原油価格が下がっても、ガソリンスタンドでの販売価格はすぐには下がりませんよね。それは、先物取引で取引されているからなのです。
予測不能な自然災害などにも多大な影響を受けるので、天候の移り変わりは、株以上に激しく、さらに自己資金の数十倍もの運用(レバレッジ)が可能なため、高いリスクが伴います。ただし、だからこそ知識を身につけ、上手に活用すればとても有利な運用手段にもなりえます。
【為替の島の特徴】
為替とは、他国の島の商品を買うために必要なものです。日本のお金を他国のお金に両替することで、はじめて海外と取引が可能となります。
お金の交換比は刻一刻と変化しており、円に人気が集まれば円高になり、円なんていらないよという人が増えれば円安となります。この変動を利用して利益を出そうとするのが、為替取引です。
外貨預金、FX(外国為替証拠金取引)など、為替取引自体を目的とした商品がたくさんあります。日本の円などの低い金利の通貨で、高い金利の通貨を買って、金利差の分の利息を得るという方法もあります。
この5つの島のうち、どこに投資していくべきでしょうか。
先ほども述べたように、天候が良いところ、あるいはこれから天候が良くなってきそうなところを予測して投資するのがベストですが、いつも天気が予測できるかというと、そんなことはありません。
そこで重要になってくるのが、みなさん自身の状態です。自分の状態によって、どんな資産運用・投資をすればいいのかを判断するのです。その詳しい方法は、次項で説明していきましょう。
社会人1年目から経済に触れるよう心がけよう
社会人ならば、資産運用をする・しないに関係なく、現在の経済や景気と、今後の未来予想図を頭に入れておきましょう。