アラフォーOLが
不動産投資デビュー
してみた。

【Story12】大森と阿佐ヶ谷物件とのダブルの出会い

「融資」を目的とした物件探し

活動開始から約4ヶ月が経過した。
徐々に知識も増え自信もついてきたが、不動産投資をしていく上で「レバレッジ」が活用できていないことが檻のように気にかかっていた。
※再度、レバレッジについて説明すると「金融機関からの融資を獲得することで自己資金を抑える→賃料収入としてのキャッシュが入る→さらに自己資金を増やし、大きな物件を購入する」という倍々ゲームのようなサイクルだ。
私はこの特長を知った時に「海老で鯛を釣る」「濡れ手に粟」など、自分に激甘な解釈を咄嗟にしてしまった。(逆に言うと、この特長を聞いても「借金をしてまで投資をするのが怖い」と思ってしまう人は不動産投資に向かないのかもしれない。)

所持物件2つは「借金」は負ってないものの、自己資金は純減の上に「融資を受ける」という大事なフローも未経験だ。
これでは投資家としては未熟・半熟だ。とてもじゃないが、ドヤ顔で「不動産投資やってます」とは恥ずかしくて言えないなぁ、とすら思っていた。

ということで、私は相変わらずワンルーム区分という手出しがしやすい分野で「融資が受けられる」物件を探した。
キャッシュ購入の2物件との最大の条件の違いは「築年数(=築浅物件)」という点だ。
金融機関によって融資を引ける年数という条件は異なるが、一般的には建物の「法定耐用年数ー経過築年数」となる。 私が探している「RC造(鉄筋コンクリート造)」という建築構造の場合は法定耐用年数は47年だ。ここから希望する融資期間であった20年という数字を引いた「築25年前後」という物件を中心に探していた。
最初に買った昭和レトロ系物件と築年数は違えど、私の触覚がピクピクと動く条件は全く同じだった。 すなわち「①街の雰囲気 ②建物の建築思想 ③管理の良さ」という3大条件を満たす物件で、擬人化できるほど気に入ることである。
築古物件ほど当たり外れの振れ幅は大きくないが、今回の条件で50件ほど現地に行っても欲しいと思えない状態が続いた。

大森の物件との出会い

ただ、前述した信頼できる仲介3社は確実に私のフィードバックをもとに「これならマツコさんが気にいるかも」という提案を続けてくれていた。なので、かつて自力でガツガツと物件を探していた時のような焦りはなかった。

そして、3社の中でも最も熱心になってくれていたTブラザースから「大森(の窪塚洋介)」という物件を紹介された。
私は現地を見に行き、すぐに買付け申込みを入れた。めでたし、めでたし!

・・・。
これまでのネチっこさからすると、えらいあっさり結論まで行き着いてしまった。

が、さすがに100件以上のワンルーム物件も見ていたので、初めて真夏の笹塚で物件チェックした頃のようなウブな感じではなく、効率的に物件チェックができるようにはなっていた。
そして、アラフォー投資家のサメ肌にはきつい「真冬(12月)」という季節に到達していたため、フィジカル的にも効率を求めざるを得ないという深刻な事情もあった。

それにしても、初めて訪れた大森という街は大層気に入った。 京浜東北線が通り利便性が良い。
とりわけ私が気に入ったのは駅前のアーケード街とその周辺に連なるチマチマとした飲み屋街だ。なかには「24時間呑めます!」という性根座った看板を掲げる店もあり、昼間からおじさんや若者がちらほら盃を交わしていた。
全体的に、地元民に愛されている街という雰囲気だった。

そんな飲み屋街を抜けた駅徒歩5分ほどの場所に、紹介された物件はあった。
ヤンチャな街に、ややすかした風情の白タイルのスタイリッシュな建物。なにやら「窪塚洋介」感が漂っていて、素敵な佇まいだった。
私のお局オーダーに誠意を持って応えてくれたTブラザーズだからこそセレクトできた物件に思えた。この物件に出会い、まず私は「Tブラザーズ、でかした!」と、それこそお局が後輩の成果を労うような感想を持ってしまった。

(もちろん、窪塚と出会った直後のその足で私が件の「24時間」の店に飛び込んで、知らんオッサンと「ビバ!大森〜」と叫びながら祝杯を上げたのは言うまでもない)

阿佐ヶ谷の物件との出会い

大森の物件の契約などを進めている最中、またもやTブラザーズ経由で阿佐ヶ谷の未公開お宝系物件の紹介があった。
利回りや価格のバランスが大森よりちょっぴり良いのに加えて、立地が私のハートを鷲掴みした。
大学は早稲田だった私は中央線の「中野〜荻窪」エリアはヨダレが垂れるほど大好物な街だ。もはやパブロフの犬状態と言ってもいいほどだ。
中央線のこの辺のエリアは学生に加えて、サラリーマンや家族などに非常に人気が高い。平成築で利回りが8%を超えるようなワンルーム物件はそれほど出回っていないし、検索でヒットしてもハンター系投資家に稲妻のごとくかっさらわれる。

その阿佐ヶ谷の物件の紹介を受けた日は小雪のちらつく熟女泣かせの気候だったが、「急がねば!」と迷わず現地に見に行った。
地元の小さなパン屋やクリーニング店が並ぶ緑の多い小道に佇むこの物件は「阿佐ヶ谷の尾野真千子」だった。
庶民的でありながらも薄ピンクの丸みを帯びた建物のフォルムが美しかった。一目で私はその物件を気に入った。

「また2件同時に来たか・・・」と、私は二股癖のあるタチの悪い女のようなセリフを独りごちた。

ただ、今回は融資がうまく組めれば手出し金額は手数料程度。自己資金の減りは軽微だ。しかもTブラザーズ経由で大森・阿佐ヶ谷とまとめて審査を申し込めば、大嫌いな書類準備などの実務も1回で済む。

こ、これは行くべきなんじゃないか・・・!?
雪の中で出会った物件だ!そろそろ自分の誕生日だ!ええと、年号も変わるな!
前日の「女芸人No.1決定戦」で阿佐ヶ谷姉妹が優勝したのも何かの縁だ!
つまりは、、つまりは、、ディスティニーなんDAーー!(←つまってない)

・・・と強引になーんも関係のない理由も脳内でラップを刻みながら、こちらの物件も申し込みを入れることにした。

とはいえ、今回は最初の時のように勢いだけで申込みをして不安になることもなかった。 2物件ともに事前の収益シミュレーションもバッチリだ。ローン特約にも「融資条件」を入れることにしているので、金利条件などが不利になった際も手付金は確保しながら解約もできる。

窪塚洋介と尾野真千子。。。
ややクセがありながらも魅力的なお二人と両手をつないでいる自分を想像してニヤニヤする、怪しさ全開のアラフォーであった。