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みずほフィナンシャルグループ、辛苦の新システム

「メガバンク時代」の起点となった、みずほフィナンシャルグループ(FG)の結成発表から20年が経ちました。

不良債権危機下の日本で登場した世界最大の銀行グループの誕生は、国際金融界でも驚きとともに話題となっていたと記憶しています。

デジタル化を背景にした異業種参入で金融のあり方が激変する今、先月新システムへの移行を果たしたみずほFGのあゆみが再び注目されています。

今回の【ビジネスEYE】では、みずほFGのこれまでとこれからを見通してみましょう。(参考:日本経済新聞/2019年7月18日)

1.みずほFGのこれまで

1999年8月20日、日本興業銀行・第一勧業銀行・富士銀行の3行頭取が、「この国を代表し、日本経済の役に立つ銀行を作る」と記者会見して誕生したみずほFG。

3行合計の総資産140兆円はそれまで国内最大手だった東京三菱銀行の2倍超。当時の世界2強、ドイツ銀行とシティグループ(米)もごぼう抜きして世界一に浮上しました。

のちには、三井住友FGやUFJホールディングス(現三菱UFJFG)などが追随して、現在の3メガバンク体制に繋がり、報道でも「金融再編」の文字が日々踊っていたように思います。

タイミングだけでなく、ビジネスモデルでも他行を先行し、顧客層に応じて、リテール金融(預金や振替、ローンなど個人向けのサービス)と、投資銀行部門を設けるなど、斬新な2行体制が話題となっていました。

誕生初日にシステム障害が起き、二重引き落としがあった顧客への対応に追われるなど、その船出は非常に厳しいもので、東日本大震災後の2011年3月にも大規模なシステム障害が発生。
当時の幹部が「根本的に変わらなければ、存在そのものが許されない」と語る事態に追い込まれていました。

2011年には3つに分かれていた基幹システムの統合を表明し、2013年には2行体制を刷新。
障害に強いシステムに作り直す巨大プロジェクトが開始され、先月やっと移行を完了したシステムにかかった費用は、なんと4500億円!
東京スカイツリー10本分の金額ともいわれる投資額は、悲願を達成したとはいえ、辛苦に満ちたものだったと言えるでしょう。

2.そして、これからは?

当初予定していた3000億円をはるかに上回る投資額により、スマートフォンなど新たなデジタル機器ととも直結しやすい仕組みを一から構築したものの、構想から18年を経る間に、銀行を取り巻く環境はすっかり様変わりしていました。

リテール部門は、ネットバンキングが中心となり、来店数は10年で3割も減少。
小売りや通信、スタートアップ企業が次々に決済分野に参入し、金融における顧客との接点は、銀行が独占できなくなってしまいました。

遅きに失したとはいえ、システムだけでなく、旧3行でポストを分け合う人事にもメスを入れての改革も断行したとされるみずほFG。
足元を固めながらも、新たなサービスを打ち出すことがこの先の課題であることは必至ではないでしょう。

失敗から学び、顧客に新しい価値を体験してもらおうとするその姿勢は、どの企業にも共通して欠かせないスタンスと言えるでしょう。

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著者プロフィール
中村 亨

コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング代表。公認会計士。
監査法人トーマツを経て会計事務所を開業。600社程のベンチャー企業の経営・財務に携わる。

2005 年に株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング(現日本クレアス税理士法人)を設立し、約100人のプロフェッショナル集団を築き上げる。著書に『「俯瞰」でわかる決算書』(ダイヤモンド社)、『不況でも利益を生み出す会計力』(東洋経済新報社)など。

日本ファイナンシャルアカデミー株式会社監査役、 一般社団法人金融学習協会理事。


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