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「ファンケル、キリンから3割出資」にみる事業承継

キリンホールディングス(HD)と化粧品・健康食品製造メーカーのファンケルが資本業務提携を結びました。

両社の規模感からすると「少額出資」(キリンHD)ということですが、1293億円を出資して、ファンケル創業者・池森賢二会長などの保有する株式33.0%を取得する見込みです。

国内サプリメント首位のファンケルとビール・飲料大手のキリンHDという、ビッグネームの資本提携は大きな話題となりましたが、
実態は、池森氏による自社の「事業承継」です。

上場企業であるファンケルが「事業承継」という選択肢をとった背景は―
今回の【ビジネスEYE】では、その背景に迫ってみましょう。
(参考:日本経済新聞/2019年8月12日)

1.事業承継に至る背景

9月6日の株式取得予定日以降、ファンケルはキリンHDの持分法適用会社となります。
「事業承継」といっても出口は様々で、今回の株式譲渡以外にも、事業売却、合併、親族内承継、社内承継、外部からの経営者招聘など、選択肢はたくさんあります。

中小企業庁によると、経営者の引退年齢は70歳。その齢を超える中小企業経営者は2028年には約245万人に達する見込みで、うち半数の127万人は後継者不在となる可能性が高いことになります。

池森氏は「引き際は65歳」と公言し、実際に65歳となった2003年に社長を退任していますが、以降の経営体制は、度重なる社長交代劇など、後継づくりに苦労してきたイメージが強いです。
その後業績悪化に伴い、2013年には代表権のある会長に復帰。徐々に立て直し、2019年3月期の決算では売上高・営業利益ともに過去最高を記録しています。

カリスマ経営者の名ににふさわしいカムバックでしたが、「自分が突然死んだら会社がどうなるか」「業績が衰退した10年間で社員に大きな不安を与えてしまった」と語り、「将来を託せる信頼できる会社に譲ったほうがいい」と、自身の代役を、大手企業の安心感で補う結論に至ったようですね。

2.双方のメリットは?

近年、製造業における健康分野への進出はかなり活発になってきています。
富士フイルムが写真事業から医療系、化粧品系に注力し、それぞれの分野で知名度を高めて将来への布石を打って事業内容を拡大させているように、キリンHDにとっても化粧品・健康分野をより強くできるというのは非常に魅力的な次の一手と言えるでしょう。

また、共同研究や事業開発だけでなく、生産面での協業や、自販機(キリンHD)と直販店舗(ファンケル)などの販売チャネルの相互乗り入れが可能になり、経営面でも効率化が期待できると言われています。

筆者は、コーポレート・アドバイザーズとして、毎月セミナーを開催する中で、M&A/事業承継で成功している企業の目的を「既存事業の補完」とお伝えしてきました。
独自の観点から化粧品・健康分野を展開してきたキリンHDにしっかりとあてはまっていると思います。

経営面で効率化を目指し、さらに協業シナジーを発現するまでには時間もコストもかかります。
何かを共有するために、何かが犠牲になることもあるでしょう。

本業が重ならないという点で、ファンケルにとっては主導権を保っていけるメリットもあります。

しかしながら、報道されているように、過度な期待をすることなく、協業で想定される混乱にも対処できるように事前に準備を進めることが肝要です。

これからの日本企業にとって大きな課題となる事業承継。
一昔前のイメージとは異なり、事業内容や社風の合う会社に託すことが経営者の力量として評価される時代になっていくことでしょう。

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著者プロフィール
中村 亨

コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング代表。公認会計士。
監査法人トーマツを経て会計事務所を開業。600社程のベンチャー企業の経営・財務に携わる。

2005 年に株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング(現日本クレアス税理士法人)を設立し、約100人のプロフェッショナル集団を築き上げる。著書に『「俯瞰」でわかる決算書』(ダイヤモンド社)、『不況でも利益を生み出す会計力』(東洋経済新報社)など。

日本ファイナンシャルアカデミー株式会社監査役、 一般社団法人金融学習協会理事。


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