3分でわかる!IPO銘柄は本当に儲かるの?
<質問> IPOへ投資すると儲かると聞きました。そもそもIPOとはどういったもので、本当に儲かるのでしょうか?
<回答> ▷証券市場に新規に上場することを、IPOと言います。
IPOとは、Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)の略で、企業が資金調達や知名度の向上などを目的として新規に株式を上場し、不特定多数の投資家に発行株式を公開することです。
通常、IPOをする会社は設立10年以内のベンチャー企業が多く、成長性を期待されて証券市場に上場します。上場するためには、事業の成長性や計画性、そしてコンプライアンス(法令遵守)などの厳しい審査を通過しなくてはなりません。そのため、IPOに至った企業は、基本的には「成長していく絵」を描いています。(衰退していく企業は上場できません)
そのために、業績はうなぎのぼり…となることが理想なのですが、すべての会社が順調にいくとも限りません。
では、私たち投資家は、IPOで儲かる株と、儲からない株は、どのように見分けるのが良いのでしょうか。
まず、IPOは2段階で考えましょう。
▷まず1段階目は、IPOの瞬間です。
つまり新規公開日です。新規公開日に、その企業の株を持っているということは、新規公開時に株を保有していなければならないのですが、それは公開前に抽選を受けることが必要です。
申し込み期間(通称:ブックビルディング期間)に、IPO割り当てのある証券会社からIPOの申し込みをします。そして抽選を待ち当選したら、購入可能期間に意思表示をして、上場日にその株を保有する、という流れとなります。
その当日に手放す(売る)投資家も多く、抽選で買った価格である公募価格よりも、新規公開時の価格である初値が高ければ利益が出ます。抽選に当たるかどうかは(主に)運ですし、初値が公募価格を上回るかどうかも運に近いものがあります。そのため、IPOは儲かると言っても、運に頼る要素が強いため、再現することも、計画を立てることも、難しいという現状があります。
▷2段階目は、新規公開日以降です。
こちらは運に頼るだけではなく、分析を行い、判断をして、計画を立てることが可能です。IPO抽選で当選して保有し続けるのもいいでしょうし、IPO後に市場で購入するのでもいいでしょう。この時点では、他の上場銘柄と同様に、企業業績や需給、そして経済状況等によって価格が変動していきます。そのため、その企業のことを理解し、正しく判断することで、十分利益を上げることができるのです。
最初にもお伝えしたとおり、新規公開する企業は基本的には「成長する絵」を描いています。ただし新規公開したばかりだと、まだ投資家に注目されていないことも多く、株価が割安で放置されていることもあるのです。そのような銘柄を見つけたらチャンスです。運に頼って抽選に応募するだけではなく、中長期の視点を持って、企業の成長とともに大きく利益を上げることも十分に可能なのです。