今回の◯◯ショックは生活に直結する？

3月10日。アメリカの株式市場の急落を受けて、年始から上昇基調にあった日経平均株価が一転、大きくマイナスに動き、数日間で約1,000円の下げとなりました。

株式投資をしている人や経済ニュースに関心の高い人は、この急落の原因を聞いて、ある過去の出来事が脳裏をよぎったかもしれません。ーー2008年9月に起こったリーマン・ショックです。

リーマン・ショックとは、アメリカの住宅市場悪化を受けてリーマン・ブラザーズという大手投資銀行が経営破綻したことが、世界的な金融・経済危機をもたらしたという出来事です。1929年の世界恐慌以来、「100年に一度」とも言われる金融・経済危機に、アメリカの株式市場やドル相場はもちろん、日本でも日経平均が大きく下がり、中小企業をはじめとする多くの企業の倒産や派遣切りなどの社会問題を引き起こしました。

そんなリーマン・ショックの再来を彷彿とさせる、3月10日にアメリカで起こった出来事が、シリコンバレー銀行（SVB）の経営破綻です。

シリコンバレー銀行は、カリフォルニア州を拠点として主にスタートアップ企業向け融資を行っている、全米16位の資産規模を持つ銀行です。そして、それに続く形で3月12日には暗号資産企業を顧客として多く抱えるシグネチャー銀行が経営破綻。こうした出来事を受けてアメリカの銀行株はもちろん、日本でも銀行株を筆頭に多くの企業の株価が急落することになったわけです。

結果としては、3月12日にアメリカの財務省、連邦準備制度理事会（FRB）、連邦預金保険公社（FDIC）がシリコンバレー銀行のすべての預金者の預金を全額保護するという共同声明を発表したこともあり、株式市場は売りが優勢となりながらもリーマン・ショックのような様相にはなっていないようです。

しかし、まだ不安定な株式市場の様子から、「この先どうなるんだろう」「私たちの生活への影響はないのだろうか」といった疑問や不安を感じている人もいるかもしれません。

そんな疑問や不安を解決したり、投資に関わる選択肢の幅を広げてくれるのが「経済」の知識です。

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