人生が変わる お金の大事な話

【Story13】投資はキャツシュフローを理解してから

最後に、投資の世界にある大事な言葉に少し触れておきたい。
まず「キャッシュフロー」について。
キャッシュ=現金、フロー=流れ。簡単にいうと、「現金の収支」「お金の出入り」のことだ。
このキャッシュフロー計算書の作成が、上場企業に義務づけられたのは、2000年3月からだ。


この計算書は上場企業に限らず、ビジネスをするうえで大変重要なものだ。
僕がそんなことを知り得たのも、知識からではなく、実際に会社を経営しながら決算書やキャッシュフロー計算書を作ってみるという経験したからだ。
経験的にキャッシュフローがどういうものかを理解しておかないと、下手をすればすぐに倒産、それも「黒字倒産」を引き起こしかねない。


たとえば、ある会社が1月1日に1000万円の売り上げが立ったとする。でも、その売り上げを出すために、700万円(宣伝費=経費)をかけて広告を出していた。
これだけを見れば、会社の利益は300万円ということになる。
宣伝費700万円を支払う期日が、翌2月末日だとする。その日には現金700万円が用意されていなければならない。
問題は、2月末に売り上げの1000万円が手元に使える現金としてあるかどうかだ。


売り上げ代金1000万円の入金日はまちまちで、2月末日までにすべて入ってくるとは限らない。入金元の都合によっては3月末ということも、半年後ということもある。
会社の銀行日座に700万円以上の蓄え(預金残高)があれば、売り上げの1000万円は3月末の入金でも問題は起こらない。
そうでなければ、宣伝費の支払いやそのほかの支払いが間に合わない。結果、会社は支払い不能に陥ってしまう。


このように、売り上げとキャッシユフローが一致しなくなることがよくある。
会社の本当の状態を把握するには、会社の現金の流れ、つまリキャッシュフローに注目していなければいけない。
これは、学べばわかることのように思えるかもしれないが、実際に経験してみないことには、なかなか理解しづらい。


営業活動から稼ぎ出す「営業キャッシュフロー」や、固定資産や有価証券の取得・売却など将来の利益を生み出すための「投資キャッシユフロー」、それに「財務キャッシユフロー」といった、いろんなお金のやりくりが必要だからだ。
最低限、その仕組みをわかつていないとリスクは高く、金額が大きければ大きいほど、すぐに破綻してしまう。
実は、このキャッシュフローは不動産投資を実践するうえでとても重要でこれを理解できていないと投資しないほうがいいし、投資をしても資産は作れないと思う。


キャッシュフローや金利、レバレッジ(136ページ)といったお金についての知識、金融についての知識があるかないかは、投資による単純なプラスマイナスの計算と同じように、損得にかかわってくる。そのことを僕はフアイナンシャルアカデミーを設立して体験しながら学んだ。
当時の僕は、利回りという言葉さえ知らず、不動産屋で、「家賃×12カ月+不動産物件価格=年利回り」と説明されても、「なぜ、家賃を物件価格で割るんですか?」なんて質問していたくらいだ。


学ぶこと、つまり自己投資は決して高くつかない。
むしろ無知ほど高くつくものはない。お金について全く無知の状態から、不動産投資を始めた僕が言うのだからまちがいはない。
「自己投資は一番効率のいい投資先だよ。何をするよりもまず自分に投資すること、勉強すること、学ぶことに投資したほうがリターンはまちがいなく一番高いものになる」


ファイナンシャルアカデミーを起業するときに聞いた星さんの言葉を、僕はようやく実感できた。その後、不動産投資を始めた僕は、十数棟の不動産を所有し、豊かさを手にすることができたのだから。