
資産運用。攻めか、守りか。

新型コロナウイルスにより、大きく世の中が変わりました。
自身の健康を守ることはもちろんのこと、自身のお金について考えることの重要性を目の当たりにしました。
「自分や家族の人生は、自分で守るしかない。」
こうしたことを多くの人が感じてか、感染が広がるにつれて、資産運用に興味を持つ人がぐんと増えました。
しかし、投資にはリスクがつきものです。それなのに、私たちの多くは、資産運用について学校などで正しい知識を習う機会がないまま大人になっています。
そのため、本質を理解しないまま始めてしまう人も多いのが現実です。
正しい知識を身につけないまま行なうことは、「投資」でも「資産運用」でもなく、ただの「ギャンブル」となってしまいます。
そもそも、ひとくちに「投資」や「資産運用」と言っても、そこにはまったく異なる2つの意味が含まれています。
1:資産形成:資産(お金)を運用して増やす
2:資産保全:資産(お金)を運用して(減らさないように)守る
言葉こそ似ていますが、この2つの資産運用方法はまったく異なるのです。
目的によって資産運用の意味もやり方も全く違ってくる事実を、ほとんどの人が気づいていません。
特に注意が必要なのは、WEBや書籍などで見かける一般的な資産運用の情報は、2つ目の「資産保全」について語られているものが多いということ。
つまり、「お金を増やすための情報だ」と思っているのに、実はそれは「資産を減らさないためにするための情報だった」ということなのです。
「今、大きな資産は築けていないけれど、豊かな未来のために、これから資産を増やしていきたい!」という人が、リスクを回避しようとするあまり、資産保全の運用方法を選択しても、残念ながら豊かな未来は訪れません。
そして、「コツコツ続けていればそのうち増えるだろう」と何十年と続けた後に問題が表面化するのです。
でも、何十年経ってからではもう手遅れの場合も多く、何より機会損失は計り知れません。
豊かな未来のために、あなたが望んでいるものは「資産形成」ですか?「資産保全」ですか?自分の置かれている状況に向き合い、どういったスタンスで資産運用に臨むべきなのかを考えることがとても大切なのです。
「資産運用。攻めか、守りか。」
今回のメールのタイトルには、そんな意味を込めています。
コロナショックをきっかけに、多くの人が改めて目を向けることになった「将来のお金」。ここで一度立ち止まって、考えてみてはいかがでしょうか。
ファイナンシャルアカデミー代表
泉 正人