5つの金融商品の全体図、相関関係を知ろう

2019年12月20日更新

5つの金融商品の全体図、相関関係を知ろう

世の中にある代表的な金融商品は5つ。その5つを島に例えてみましょう。それぞれの金融商品の島の将来を予測し、天気の良い(金融商品の価値が上昇する)「お金の島」を巡るのが資産運用です。

世の中にはお金が流れるお金の島がある

経済の基本を一通り学んできたところで、次は金融商品の基本について考えていきましょう。

「金は天下の回りもの」というように、お金は世の中を流れています。モノを作るために材料を買ったり、作ったモノを誰かが買ったりして、お金は流れていきます。そのお金が流れ着く先には広大なお金の海があるとイメージして下さい。

お金の海の中には、いくつかの島が浮かんでいます。ある島は暖かい気候に恵まれ、多くの作物が実っています。しかしある島は寒さや暴風雨に見舞われて、土地は枯れています。島によって気象条件が全く異なっています。

島の将来の天気をぴたりと当てることは難しいのですが、知識や経験によってある程度予測をすることはできます。明日はどのあたりの島の天気が悪く、どの島の天気が良くなるのかを予測しながら、なるべくお天気の良い島を探してお金の海を次から次へと航海していくことが、すなわち「投資」です。

天気の良いお金の島を探して航海するのが『投資』

金融商品の代表は、株、債券、不動産、商品、為替

もちろん、お金の島へ航海しない = 投資しない、という選択肢もあります。家でじっとしているのが一番安全といえます。しかし、それではお金は増えません。

例えば、定期預金に100万円を預けていても、1年経って得られる利息は数千円。しかし株などに投資すれば、短期間で数%から数10%の利益が得られたり、場合によっては資産が2倍、3倍になることもあります。このようにお天気の良い(上昇する)「株の島」を見つけていれば資産を大きく増やすことができます。もちろんその反対に、天候が悪い(下降する)島にたどり着いてしまったら、資産は目減りします。

インターネットの普及により、世界中のさまざまな金融商品へ投資できるようになりました。10年前には考えられなかったような環境です。誰もが家にいながらにして、お金の島へ航海に乗り出していくことができるわけです。この環境を利用しない手はありません。

日本のお金の島がダメなら、世界に行けばいいのです。世界のどこかには必ず、天気の良いお金の島が存在しています。

世界にあるお金の島は大きく分けて5つ。「株」「債券」「不動産」「商品」そして「為替」です。株、債券、不動産、商品の4つの島は、それぞれの国に存在しています。国と国を行き来する時には、為替の島を通らなければいけないルールになっています。

各国にお金の島があり、他の島へ渡るには為替の島を通る

世界を動かす5つの存在(金融商品)

世界のお金は株・債券・不動産・商品・為替という金融商品にかたちを変えて巡っています。それぞれの商品の概要についてみていきましょう。

①会社のオーナーになる「株」

まずは「株」。これは会社に投資する商品です。「この企業がこれから成長しそうだな」と思ったら、その会社が発行している株券を買います。株券を買うということは、会社にお金を貸すことではなく、その会社のオーナーの1人になることです。会社がいろいろな活動をすることで儲けたら、その儲けの分け前をもらいます。また、株券自体の価値が上がったり下がったりするので、株価が上がってから売れば得をします。

基本的に会社の業績がよくなれば株価は上がりますが、その国の経済が全体的に落ち込んでいる時は、業績に関係なく下がったりもします。経済全体の動向に目を向けることも大切です。また、株の島は天候の変化が激しいのが特徴です。

②お金を貸して利息を受け取る「債券」

次に「債券」。こちらは株と違い、他人にお金を貸す商品。借用書のようなものです。お金を貸してあげる代わりに、決まった利息を受け取ることができます。株と違って安全性が高い商品です。そのため、世界経済が荒れている時には、多くのお金が債券に流れてくる傾向にあります。

同じように毎年利息を受け取る商品に預貯金がありますが、預貯金が売買できないのに対して、債券そのものは売買が可能です。ただ、個人が債券売買を頻繁に行う必要性はまずないのであまり気にする必要はありません。

③土地や建物を売買する「不動産」

「不動産取引」が扱う対象は土地や建物です。不動産で利益を出すには二つの方法があります。一つは、土地や建物を買って、値上がりした時に売ることで値上がり益を得る方法。もう一つは、自分の持っている家を他人に貸して(大家さんになって)家賃収入を得る方法です。

バブル期には土地の売買を頻繁に行って利益を出す方法が中心でした。確かに、土地は経済の発展とともに値上がりする傾向にあり、安く買って高く売れば莫大な利益を得ることができます。しかし、土地の価格が上がるかどうかを予測するのは難しいのです。そこで最近では、コツコツと家賃収入で利益を出す方法も注目されてきています。また、大家さんの権利を購入できるREIT(不動産投資信託)もあり、少額で購入できるとあって個人投資家にも浸透してきました。

④石油などの商品に投資する「商品取引」

「商品取引」では、金や銀、プラチナなどの貴金属から、鉄や銅などの金属、トウモロコシや大豆といった食糧、さらには石油やゴムなどの原材料まで、さまざまな商品を売買します。中でも世界で頻繁に取引されているのが「石油」です。

これらの商品を取引する場合、基本的には商品の将来の価格を予想する「先物取引*」がメインとなります。先物取引もインターネットで簡単に売買できるようになりました。値段の乱高下が激しいため「危険」というイメージがありますが、上手に活用すれば有効な運用手段となります。

【用語解説】商品先物取引
未来のある期日にある商品の売買を行うことを約束する取引。「あらかじめ約束した値段」と「期日が来た時の実際の値段」の差が利益(損失)になる。

⑤他の国の島へ行く時に必要な「為替」

最後が「為替」です。世界にはさまざまなお金の島があるという話をしましたが、他国の島の商品を買うには、日本のお金を他国のお金に両替しなければなりません。

この時に気になるのが相場です。「円高」「円安」といった言葉があるように、通貨自体の交換比率は日々変動しており、そのタイミングによっては損をしたり得をしたりすることがあります。

例えば、1ドル100円が1ドル120円になった時、日本から見れば「円安」、アメリカから見れば「円高」です。円高の時にドルを買い、円安になったら売れば、その差が利益になります。また、低い金利の通貨を支払って、高い金利の通貨を買い、金利差の分だけ利息を受け取るという方法もあります。

外貨預金やFX(外国為替証拠金取引)*など、為替取引そのものを目的とする商品は多数存在しています。

【用語解説】FX(外国為替証拠金取引)
外貨を取引する手段の一つ。一定の証拠金(保証金)を差し入れることで、その何倍もの額の外貨を取引することが可能。

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