収入・所得・手取りの違い ~社会人が知っておきたい基礎知識~

2018年12月27日

何度も聞いているはずの言葉でありながら、収入と所得、手取りの違いがよくわかっていないということはありませんか。
確定申告などの必要に迫られない限り、銀行口座に振り込まれる給与金額を把握しておくだけで日常生活に問題を感じないという考え方もあるでしょう。
しかし、社会人として収入や所得、手取りの違いをきちんと把握しておきたいと思う人も少なくないはず。
収入と所得、手取りの違いについてご紹介します。

収入・所得・手取りの違いとは

「あの役職まで出世すると年収○万円ぐらいになるらしい」
「あの税制改正で所得制限○万円が設けられたらしい」
「手取りが○万円の場合、どのくらいの貯金額が妥当だろうか」
日常的に交わされる会話の中で出てくる収入と所得、手取りという言葉。わかったような顔をして聞き流していても、それぞれの違いが実はよくわかっていないという人もいます。例えば確定申告の経験がない会社員など、置かれている環境によって収入と所得の違いがよくわからないという人がいるのも自然なことです。
収入と所得、手取りの違いを簡単に説明すると、下記のとおりとなります。
収入:会社などがあなたに支払った金額、月収や年収という言い方も一般的
所得:収入から必要経費(会社員の場合は給与所得控除額)を引いた金額
手取り:収入から必要経費(自営業者などの場合)や税金、社会保険料を引いた金額
さらに簡単な言い方に変えてみると、下記となります。
収入:あなたが会社などからもらうお金
所得:税金の計算をするために、収入から必要経費分を引いたお金
手取り:あなたが使えるお金
一般的には、自分の働きに対して会社がいくら払ってくれているのかを表す収入、そして、自分が自由に使える金額を表す手取りの二つが気になるもの。それら二つに比べると、所得のイメージはわかりづらいと思われがちです。
しかし、税負担の面において所得金額はとても重要な役割を果たしています。所得税や住民税といった税金は、収入でなく所得の金額から算出されています。所得税には所得金額が上がれば上がるほど税率が高くなる累進課税という方式が採用されており、所得金額が195万円以下の人の税率5%から4,000万円超の人の税率45%まで7段階の税率が設定されています。
出典:国税庁「所得税の税率」

源泉徴収票で具体的な金額を確認

あなたは、会社から発行される源泉徴収票に、どのくらいの関心を持っていますか。とりあえずもらうだけで、内容を確認しないような人もいるでしょう。源泉徴収とは、私たちの給与から天引きして会社が所得税と復興特別所得税を払ってくれている仕組みのことです。
個人個人の収入と所得、手取りの目安となる金額は、源泉徴収票を使って簡単に確認できます。毎月もらう給与明細と賞与明細でも確認できますが、年間を通して会社からもらった金額を確認できる源泉徴収票を使ったほうが便利です。
年収と所得については、名称が異なるものの源泉徴収票に記載されている項目でそのまま確認できます。手取りを知るためには少々の計算の手間が必要です。
年収:支払金額
所得:給与所得控除後の金額
手取り:支払金額―源泉徴収税額―社会保険料等の金額(※1)
※1:厳密には住民税も引いた金額となる
源泉徴収票には住民税分が記載されていませんが、「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額のおよそ10%として計算できます。住民税は賞与からは徴収されない仕組みとなっているため、給与明細に記載されている住民税の金額を12倍する算出方法でもよいでしょう。
なお、所得税の控除と住民税の控除の金額は異なっています。また、住民税の金額は前年の所得により確定される仕組みとなっています。そのため、所得税には年末調整(※2)がありますが、住民税には年末調整がないのです。
※2:源泉徴収された所得税の過不足を12月に再計算する仕組み

この記事のライター

MASAMI

AFP・2級ファイナンシャル・プランニング技能士、個人情報保護士。
年金や教育費など生活に密着したお金の話をわかりやすく伝えるライターとして活動中です。

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