共働き夫婦が「別財布」で家計管理するメリット・デメリットは?

2019年3月30日

2024年11月11日

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ新聞記者、はるちゃんです。
結婚したら、どの家庭でも生じるのが「財布」問題です。家計をみる「財務大臣」のイスに座るのは、夫か妻か。各種アンケートを読み解くと、多くは妻が家計管理を行うパターンが多いのですが、最近は「夫の方が家計管理が得意」という理由で、夫が担うことも増えているようです。
共働き夫婦の場合、「別財布」というパターンもあり、貯金が増えない一因にもなっています。
今回は別財布のメリット、デメリットを考えます。

家計管理の実態は?

2018年4月に行われた明治安田生命の「家計に関するアンケート調査」(20~79歳の既婚男女1,620人)によると、家計を管理しているのは、「妻」62.4%、「夫」21.7%となっており、圧倒的に妻が管理している家庭が多いのが実情です。この中で、「家計を分けて管理している」との回答も15.7%に上り、一定数の「別財布」家庭が存在していることが分かります。
参考:明治安田生命 「家計」に関するアンケート調査
別財布家庭でもさまざまなパターンが考えられると思います。例えば、家賃や光熱費、保険料など固定費を夫が負担し、食費などを妻が負担するパターン。あるいは、共通の口座を作って同額を振り込み、生活費にあてているパターンなどもあるでしょう。

最大のメリットは「自由に買い物」、別財布が夫婦円満のコツ?


別財布の最大のメリットは、負担分以外は、相手に支出内容を隠して自由に使えることにあるでしょう。夫婦といえども、隠しておきたいこともありますよね。自分へのご褒美として買ったイヤリング、大学時代の同級生と行った豪華ランチなど支出が重なると、特にパートナーが節約タイプの場合には言いづらくなります。
専業主婦でも家計管理をしていれば支出内容は隠せますが、夫の給料で高額な支出をすることに罪悪感を持つ方もいるでしょう。共働きの場合は、「自分の稼ぎ」として心理的なハードルが低くなります。もちろん、夫の視点にたっても同じです。趣味や付き合いで、隠したい支出の一つや二つはあるはずです。けんかのタネとなりそうな支出を隠しておけるからでしょうか、別財布のほうが「夫婦仲が良い」「けんかが減る」などという声もあります。

パートナーの月収や貯蓄額を知っている?将来の不安の芽を摘もう!


別財布のデメリットは、メリットと裏表の関係にあります。ずばり、相手の収支がブラックボックスになりやすいことです。それぞれの趣味などに支出して、独身生活の延長のような自由を楽しむこともいいですが、長く寄り添っていく2人として、いつかは先々を見据えなければなりません。ブラックボックスでは、いつかは必ず2人の老後に不安が芽生えるでしょう。
しかも、別財布の場合、「パートナーが貯金しているだろう」などと根拠のない期待感を持ち、自身の節約意識も希薄になってしまいがちです。一人で節約していても、パートナーが好きなものを買っていれば、自分一人の節約がバカらしく思えてしまい、ついつい自分も買い物をしてしまいます。これも別財布の大きなマイナスポイントです。
別財布のメリット、デメリットを生かすのは、やはり双方の月収を把握して、一定額を貯金することです。1カ月の貯蓄目標は収入の2割です。残ったお金をそれぞれが自由に使えば、別財布のメリットも十分生かせます。貯金さえきちんとしてくれれば、残ったお金はお互いに自由に使っても構いませんよね。さらに、お互いの自由資金から「旅貯金」「誕生日貯金」など2人共通のプラスアルファの貯金をして、2人で楽しむ時の原資にすれば完璧ではないでしょうか。
もしブラックボックスの共働き「別財布」家庭でしたら、まずは2人で話し合いをして、パートナーの月収を把握してお金に対する意識を共有してください。そして、必ず貯金を必ず始めること。それが2人の将来の安心につながります。
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この記事のライター

はるちゃん

ファイナンシャルプランナー(AFP)の資格を持つ新聞記者。暮らしや投資のほか、教育やデジタル関係にも精通している。

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