BSとPLはどっちが大切なのか?婚活から見る決算書

2018年11月1日

BSとPLについては以前簡単な内容をお話ししました。
婚活をしているときに確認したい「年収」がPL、「財産と借金」がBS、と覚えると良いとお話ししましたよね。
今日はそんな婚活に役立つ?PLとBSについてもう少し踏み込んだお話しをしたいと思います。

誰もが気になる「年収」≒PLの見方

婚活をしている女性が必ず聞かれる質問が「結婚相手に望む年収」ではないでしょうか?
以前は「1,000万!」というのが一つの境目でしたが、最近は時代を反映してか「600万」と現実的なラインを言う人も増えている印象です。サラリーマンの平均年収が420万円程度と言われている昨今においては、この600万でもなかなか良い数値なのかもしれませんね。
さてそんな年収ですが気を付けてほしいのが「1,000万」という数字だけを聞いて安心しないでほしいという点です。この1,000万というのはPLで言う最終的な利益≒当期純利益であるため、この時点ではその1,000万が「どのようにして稼いだ」のかが分からないのです。
お仕事で稼いだかもしれないですが、投機的な投資で稼いでいる可能性もあります。ひょっとしたら竹藪で札束を拾ったのかもしれません。もう一歩進んだ婚活をするのであれば、その1,000万の内容について詳しく踏み込んでください。
これは企業のPLも同様で最終的な利益だけを見るのではなくてその「利益の源泉」をしっかり把握するようにしてください。PLにはその情報がちゃんと載っています。

キチンと押さえたい「財産・借金」≒BSの見方

そして婚活時にも必ず押さえてほしいのが年収だけではなくてこのBS面です。
たくさん稼ぐ人であっても財産が少ない人は浪費家である可能性が高いです。さらにひょっとしたら借金がある可能性もあります。企業がPLに合わせBSも開示しているように本来であれば結婚相談者は年収だけではなく財産・借金面も把握するべきなのですが、さすがに個人のプライバシーという判断なのかそこまで踏み込んでいる会社はありませんね(笑)。
さてそんなPLとBSですが企業を分析する時、よく私のような会計士の業界で言われているのが「初心者はPLを見る、上級者はBSを見る」という点です。
もちろんどちらかだけを見るのでははく双方見るのですがどちらをより重視するかというと上級者になるほどBSを注意してみる傾向にあるのが事実です。
なぜかと言うと、企業のBSには私たちが考えるよりずっと広い概念の「財産・借金」がキチンと記録されているからです。
通常、私たちが想像する「財産」と言えば預金・株・不動産あたりですが、企業のBSの場合はより広い「将来にわたって企業にお金をもたらすもの」、また逆に私たちが想像する「借金」と言えば銀行から借りるローンあたりですが、企業のBSの場合はより広い「将来にわたって企業負担する可能性が高いもの」まで含めた概念になっているのです。そのため、その企業が今置かれている立場や状況がよく反映されるのです。
婚活で例えるなら、単純な預金残高や株、不動産、借金だけではなくて、その人の与信状況、学歴、子どもの有無、結婚歴、実家が裕福かどうか…などが反映されていると言えばわかりやすいでしょうか。
より「上級」の婚活をするのであれば、私たちが抑えるのはBSなのかもしれませんね。

この記事のライター

野瀬大樹

公認会計士・税理士。大手監査法人にて会計監査 、株式公開支援、財務調査、内部統制構築業務にかかわる。会計のプロとしての視点から家計のリストラに着手し、支出を1年で50%減らす。さらに自身の労働時間を年間1000時間減らす中で、所得の増加にも成功している。公認会計士協会主催の講習の講師も務め、小中学生に会計とお金の話をわかりやすく伝える授業には定評がある。著書に「20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとやばいですよ!」(クロスメディア・パブリッシング) 、「自分でできる 個人事業主のための青色申告と節税がわかる本」(ソーテック社)などがある。

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