
新聞やニュースで耳に、目にすることのある上場廃止。株式投資に関係することなので、このような呼び名があることを知っている人は多いのはないでしょうか? 今回は、持っている株式が上場廃止になってしまったときにはどのようになるのか、考えてみたいと思います。
上場廃止ってどういうこと?
ここで改めて確認しておくのが上場廃止についてです。
そもそも上場廃止とは、その名前の通り上場を止めてしまうことです。主な理由としては倒産や買収や合併が考えられます。
とはいえ、ある日、急に明日から上場廃止になると言うことはありません。上場廃止が決まった場合には、まずは多くの人たちに上場廃止を知らせる必要があり、整理銘柄という株式に指定されることになります。この銘柄こそが新聞の株式欄で目にすることができる整理ポストに記載されている銘柄なのです。整理銘柄になると約1カ月後に上場廃止とされ、株式市場での取引はできなくなってしまうという道を辿ることになります。
ただし、株主であることに変わりはありません。議決権・利益配当請求権・残余財産分配請求権等の株主としての権利までを失うことはありません!
自分の手で取引相手を見つけることができれば、売却することは可能ですよ。
上場廃止になると株はどうなってしまうのか?
上場廃止になる要因としては、民事再生や債務超過に陥ってしまった場合です。「この会社には価値がない」と投資家が判断すれば一斉に売り出されることになり、株価は暴落することが考えられますね。
株式のなかには上場廃止になっても、再建・再生の見込みがある、可能性がある等の理由から、株価が暴落しない株式もあります。再建できるのなら慌てて売却しなくても良いと思いがちですが、本当に再建・再生できるのかは分かりません。いずれにしても、経営等に問題があるために上場廃止になっているのですから、株価ができるだけ高いうちに売却してしまった方が安心です。
また整理ポストの株価を見ていると、「株価1円」となっている銘柄を目にすることがあります。整理ポストに入っていても普通に売買することはできますので、1円のときに株式を購入しておけば、株価が2円以上になれば単純に利益は最低でも2倍になります。このため、わざと整理ポストに入っている銘柄を狙って取引をする人たちもいるようです。
「1円なら初心者でも安心だ」「損はしないかも?」と思うかもしれませんが、売却できなければまさに紙くずになってしまいます。
整理ポストの期間は1カ月と限られた期間です。その間に自分が思うような値動きをするとは限りませんし、ある程度、時間が経つとまったく値動きがないということも考えられます。危険な取引であることに変わりはないのです。
そもそも問題がある銘柄だからこそ、上場廃止になっているのです。ある意味「ケチがついた」銘柄です。わざわざケチのついたモノを買う必要があるのか、考えなくても分かりますよね?
上場廃止銘柄は投機性が強い⁈
上場廃止銘柄に投資をする人たちと言うのは、既に株主であり何らかの意図・意思から株式を買い集めている人や百戦錬磨のトレーダー等です。プロと言える人たちです。そのような人たちと争って売買することは無謀としか言いようがありませんし、余計な株式まで背負いこむことにもなり兼ねません。
自分が保有している銘柄が不幸にも上場廃止になってしまった場合には、できるだけ多く、会社から正しい情報を集めることです。株式関連の噂は多くあるのですが、本当かどうかの判断がつかないことは多くありますので、噂に振り回されないことが大切です。
これ以上、見込みがないと判断したのなら、可能であればできるだけ早く売却し、できるだけ損失額を増やさないために行動することが必要なのです。