毎月、毎月、支払っている家賃がもう少し安ければ生活が豊かになるのに……って思ったことはありませんか?不動産市場は需給によって価格が変わるものの、家賃はなかなか変わりませんよね。
しかし、これから列挙する事柄を知り、家賃も交渉によって下げることが可能である事実を知っていただきたいと思います。
Contents
家賃交渉したことありますか?
まず、みなさんは家賃交渉はしたことがありますか?
家賃交渉を当たり前のことだと思ってしている人と、そうでない人では、当然家賃交渉している人の方が安く住宅費を抑えられています。ここで認識しておきたいのは、家賃というのは「大家の言い値」であり、自然には下がらないということです。
実際、この家賃で入ってくれたらラッキーという感覚で高めの家賃を不動産屋に提示している大家も多く存在します。
<家賃交渉の経験の有無>
いえらぶ調べ(2014年/対象者男女100名)
家を探す時期はいつがいい?
家を探す時期に適しているのは、5月と11月です。
人が引っ越しをする理由は様々ですが、就学、学業、就職、転勤、転職など学業や仕事の関係で家を引っ越しする人が多いようです。そのため、引っ越しの繁忙期というのは、3月末〜4月に集中します。空室物件オーナーは、この時期を逃すと空室期間が長引くことが予想されるため、3月末〜ゴールデンウィークの直前まで、入居者に対して積極的にアピールをします。そして、この時期であれば次から次へと内見希望者が来るため、大家もある程度は余裕があるのですが、ゴールデンウィークを過ぎて空室のままだと、大家の顔は一気に青ざめてしまいます。空室の不動産物件というのは収入もないのにメンテナンス費用だけがかかる単なるお荷物ですからね。
5月以降にやってくる内見希望者が値下げ交渉をしやすいのは、そういう理由です。
ちなみに3月末の次に移動が多いのが9月末〜10月です。同様の理由で11月は値下げ交渉がしやすくなります。
どんな物件が値下がりしやすい?
一見、空室期間の長い物件が値下がりしやすそうですが、意外なことにそうではありません。空室の長い物件にも2パターンあって、前述のように大家が焦っている場合と、まったく焦ってない場合があります。
資産家が大家をしている場合などは、わざわざ値下げしてまで入居してもらわなくても構わないと、肝が座っていますから、値下げ交渉がうまくいかない場合も多くあります。
では、どのような物件が値下げ交渉をしやすいかというと、いわゆる「ミスマッチ物件」です。
ミスマッチ物件の場合
・1人暮らしが多い街にあるファミリー向け物件
・女性向け物件なのに、洗濯機が外、1階、駅からの道が暗い、など。
ミスマッチ物件の場合、物件そのものは悪くないけど外部環境や設備の抜けのせいで入居希望者が少ないという特徴があります。
たとえば、一人暮らし用の部屋なのに、エアコンが備え付けられていなかったら、入居者は十数万円を払って自分でエアコンを取り付けなくてはいけません。しかし、一人暮らし希望者というのは、就学や転勤など期間限定で一人暮らしをしているものです。わざわざ自分で設置費を支払うくらいなら、違う物件を探しますよね。
こうしたミスマッチ物件は、大家も踏ん切りがつかずに困っていたりするので「エアコンを自分で取り付ける代わりに家賃を下げて」と言って交渉するのはアリです。
築古物件は値下がりしやすい?
最近の不動産中古市場の活況によって、リフォームさえしてあれば、築古でも気にしない入居者が多くいることが一般的に知られてきました。そのため、築古だからといって無茶な家賃交渉はしない方が無難です。
とはいえ、リフォームしきれずバランス釜など使い勝手の悪い設備がされている場合は、冬季にガス代が通常よりもかかるので、家賃交渉のネタにしやすいです。
交渉時に役立つ「強いカード」とは?
物件の粗を見つけて、家賃の値下げ交渉するだけでは限界があります。自ら良い物件を見つけ、そこに住みたい場合、こちらが提示できる交渉材料は何があるでしょうか?
借り主側が使える強い交渉カードに、「即決」があります。
「家賃を○○○円にしてくれたら、即決します。」という言葉は、不動産オーナーにとって非常に強いパワーワードです。
入居者募集というのは、大家にとって意外に骨の折れる作業です。内見希望に対して何度も不動産屋と連絡を取り合い、入居希望者が来なければマイソク(物件のチラシ)を改善したり……。そのため、「即決」というキーワードは、大家にとって、これらの雑務からの解放も意味しています。
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「家賃の前払い」は効果があるか?
「即決」の次に、交渉材料として考えられるのは「家賃の前払い」です。しかし、意外に効果は薄いようです。
家賃をとりこぼさない効果もありそうですが、そもそも、家賃を滞りなく払う能力がない人間は入居NGにすればいいわけですし、敷金や保証金も預かっているので、前払いの効果は感じずらいといえます。大家(不動産投資家)にとっては、収支の流れをキャッシュフローとして捉えており、毎月決まった日にちゃんと家賃を入金されることの方が嬉しいそうです。
大家は何をされると家賃の値下げをする?
一概には言えませんが、交渉において大切なのは、味方を増やすことです。
私たちが家賃の交渉をする場合、直接大家と交渉することは少なく、多くの場合、仲介業者を間に挟んでの交渉になります。なので、この設問は少々変える必要があります。
「仲介業者は何をしてもらうと、自分の代わりに積極的に大家と交渉をしてくれるか?」
不動産賃貸の仲介業者のビジネスとは、仲介手数料をもらうだけのビジネスです。仲介手数料は家賃の割合で決まるので、家賃が下がると収入減になりますが、業者にとっては賃貸紹介は大きな収入源ではないので、正直、どっちでも良いというのが本音です。なので、もし仲介業者が喜ぶことをしてあげると積極的に家賃交渉をしてもらいやすくなります。
例えば、仲介業者は地元で空き地を利用して駐車場や駐輪場を運営している場合があるので、車やバイクがある場合はそちらを契約する、など。
これは、ごく一例ですが、仲介業者を味方に引き入れると家賃交渉もスムーズにすすみます。逆に何もせずに「家賃下げさせて」の言葉だけで真剣に交渉してくれることを期待する方が無理な話です。
まとめ
さて、家賃交渉のテクニックはいかがでしたでしょうか。大きく人の感情に左右されることの多い不動産市場ですが、状況を知れば交渉を有利にすすめることも可能です。
最初にも述べましたが、家賃は大家の言い値ですので、その価値があると認める人があらわれて、初めて家賃として成立します。もう少しだけ家賃が安ければ生活が豊かになるのにと思っているなら、ここに列挙した不動産市場の裏技を使って、ぜひ家賃交渉をしてみてください。