仕事を探したいけど、特別な資格もないし経験もない、今とは違う業種にチャレンジしたいけど専門知識がないと悩んでいる貴方。ハローワークの提供する職業訓練を活用してみてはいかがでしょうか?
ご存知のようにハローワークでは、求職者にむけてお仕事の紹介をおこなう機関ですが、求職者支援制度に基づき、一定の職業訓練を無料(テキスト等は自己負担)で実施しています。
求職者支援制度とは?
求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職者に対し、職業訓練(求職者支援訓練)を無料実施。一定の支給要件(本人収入、世帯収入及び資産要件等)を満たす場合は、職業訓練の受講を容易にするための給付金(職業訓練受講給付金)を支給。ハローワークが中心となり、就職支援を実施する制度です。
この支援制度の対象となるには、”特定求職者”である必要があるのですが、”特定求職者”となるには、雇用保険を受給できない人で、ハローワークに求職の申し込みを行っており、かつ労働の意思と能力がなければなりません。
求職者支援訓練にはどんなものがある?
求職者支援訓練では、民間訓練機関が厚生労働大臣の認定を受けた職業訓練を実施し、社会人としての基礎的能力を習得する「基礎コース」と就職希望職種における職務遂行のために必要な実践的な技能等を修得する「実践コース」があります。
コース分野は多岐にわたっており、例えばパソコンの使い方など多くの職種に共通する基本的な技能から、IT分野、営業・販売・事務分野、医療事務や、介護福祉、農業や観光、調理分野などもあります。技術の専門的なものでいうと、金属関連、機械関連、建設関連など、幅広い職種に対応したコースを紹介しています。
そうしたコースから、今回は旅行・観光分野、農業分野、エコ分野、金属関連分野、からいくつか紹介したいと思います。(掲載のコースは、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構のHPにて掲載されているコースであり、2018年2月20日現在、募集終了のものも含んでおります)
【観光ビジネス科】
訓練目標:旅行会社カウンターにて顧客の望む旅行の行程作成、コンサルタント、手配業務に関する業務(企画書作成・見積作成・プレゼンテーション等)、および海外/国内ツアーコンダクターの業務が遂行できる。
訓練内容:ワークガイダンス、社会、法令、約款、海外実務、国内実務、国内添乗実務、海外添乗実務、ツアー研究、海外実務演習
訓練手法:実技
訓練終了後に取得できる資格:総合旅行業取扱管理者、国内旅行業取扱管理者、旅程管理主任者(任意受験)
【海外観光客サービス科】
訓練目標:国際化する観光地の施設・企業にて、外国人観光客等に質の高いサービスを提供できる人材の育成
訓練内容:観光施設や企業で、外国人向けの接客ビジネスが出来るよう、観光サービス接客や観光英語を学びます。また、一般事務の業務がこなせるPC操作を学び、外国人観光客向けの案内板やPOP作成が出来る技術を学びます。
訓練手法:実技
訓練終了後に取得できる資格:サービス接遇検定3級 任意受験 (認定機関:(財)実務技能検定協会)
【有機野菜栽培科】
訓練目標:将来的に農業経営を目指す人や農業に関する職業の技術者となること。
訓練内容:農業の担い手養成及び農業に関する職業人の養成
訓練手法:実技
訓練終了後に取得できる資格:無し
【造園技能養成科】
訓練目標:造園技能士2級及び3級レベルの造園知識、技術の習得
訓練内容:造園業等への就職を目的として知識及び技術を習得し、実際の現場において実技講習を行い即戦力を養うことができる。また資格取得にも注力し、造園技能士3級の試験会場で有ることを利用し合格講習を行う。
訓練手法:実技
訓練終了後に取得できる資格:造園技能士2級・3級(造園業、公園管理等)※任意受験
【太陽光発電施工士養成科】
訓練目標:太陽光発電、電化等の知識・積算・見積作成、販売手法、施工技術を習得した即戦力の人材形成。
訓練内容:太陽光発電の販売・施工会社への就職、独立を考える方向けの訓練。メーカー実機を使った実技訓練で技術力を身に付ける。
訓練手法:実技
訓練終了後に取得できる資格:第二種電気工事士(任意の受験合格にて取得可能)
【溶接技能育成科】
就職を想定する職業・職種:アーク溶接工
訓練目標:金属製品製造業事業所において鉄鋼材の溶接作業ができる。
訓練内容:職業能力の基礎となるコミュニケーション力やビジネスマナー、ガス溶接、被覆アーク溶接、半自動アーク溶接、TIG溶接、機械工作に関する知識及び技能・技術を習得する。
訓練手法:実技
訓練終了後に取得できる資格:アーク溶接特別教育修了証、ガス溶接技能講習修了証、JISZ3841半自動溶接技術検定、JISZ3821ステンレス鋼溶接技術検定 JISZ3801手溶接技術検定 すべて受験条件有(任意受験)
求職者支援訓練を受講する際の注意点
本支援制度は、就職を目指す方が職業訓練を受け、より安定した職に就くことをサポートする制度ですから、受講申し込みを行ったのに、訓練を欠席したり、ハローワークの就職支援を拒否するなどした場合、職業訓練受講給付金が受け取れなくなるなど制度利用ができなくなる場合があります。受講の際には、ハローワークにてご自身のキャリアプランを相談するとともに、しっかりと受講しスキルを身につけたいものです。
ご紹介したコース以外にも、コースは多岐に渡って実施されており、コース終了時には資格取得が可能だったりと、少ない自己負担でキャリア形成に有益な訓練が受けられる、求職者支援訓練。求職中の方はぜひご自身のキャリアに合わせた講座を探してみてください。