かつてOL時代、世は華のバブルの頃で海外ブランドバッグが流行りました。通勤車両の中で、同じブランドのバッグを持つ女性が何人いるか暇にまかせて数え、その多さに驚いたことがあります。そして首元にはスカーフ。一目みてブランドが分かるような物を好んで使っていました。同世代の方なら、きっと何枚かは持っていたのではないでしょうか。
あのブランド品は今
あの頃、海外ブランド品を持つことは、一つのステータスだったのかもしれません。
勿論、それなりの金額がしたので一生大切に使うのだと決めて買ったのです。そんなに大切な持ち物も、結婚し育児に追われる日々になると、いつしか出番がなくなりました。クローゼットにはそんなバブルの産物をいくつも眠らせていることに。
50代これからの人生を思うと、自分にとってほんとうに必要なものは何かと考えるようになりました。買った時の値段には価値はなく、使うものにこそ価値がある。そう思うようになりました。
残したものは何だったのか
自分の今の生活に合わないもの。買った時の嬉しい気持ち、でも今はときめかない。そんなものは潔ぎよく、業者に買い取ってもらいました。そして、そのお金で今必要な物を購入したのです。そんな中で手放せなかったものがあります。それはスカーフです。
なぜスカーフ?
今はあまり使わない、日本には風呂敷という包む文化があります。子供の頃お届けものは風呂敷で包み持参する。荷物が増えると予想したら風呂敷を一枚バッグに忍ばせる。生活のシーンに応じて風呂敷は活躍しましたし、お祝いごとに綺麗な模様の風呂敷を頂くことは多かったのです。私にとって、四角の綺麗な布は格式があって便利なものでした。そんな気持ちからスカーフは使える、いや、使おうと思ったのです。
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旅に欠かせないアイテム
私は旅行が大好きです。長い旅は準備が大変ですね。スーツケースの中は着替えや小物でごちゃごちゃします。ここでスカーフの登場です。シャツやブラウスは大判のスカーフで包んで収納。小物はハンカチーフで。こうして用途別に包んでおけばバッグの中がぐちゃぐちゃにならず、見た目もすっきりと綺麗です。
形を変えれば使えるアイテム
素材がシルクのスカーフ。旅先で肌寒さを感じたらちょっと首に巻いたり、肩にかけると冷えから体を守ってくれます。そして、普段のデニムのベルトに通して、チラッと見せるオシャレを楽しんだりします。荷物が増えたらエコバックが欲しいですよね。スカーフの四隅を尻尾のように長めに出して各々一つ結び、隣同士の尻尾を小さく団子に結ぶと即席のバッグに変身。お土産や文庫本などちょっとしたものを入れて持ち運べます。これは風呂敷の応用から学んだものです。やはり、日本の文化は賢さが際立っているなと感心します。よく身に着けていたあの頃、アレンジなど知らず、いつも同じような巻き方しかしていなかったなと記憶しています。時が流れ、今の私にはスカーフは旅のお友として欠かせないアイテムになりました。