日本人は自己主張が苦手といわれます。協調性を大事にする傾向があるため、誘いを上手に断れず、交際費がかさんで悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
相手の気持ちを考えられる姿勢はすばらしいですが、その気質が貧乏を引き寄せてしまっているなら、改善が必要かもしれません。交際費を削るために、どんな考え方、言い方で誘いを断ればいいのかといった疑問についてお答えします。
声をかけてもらえるのはうれしいけれど……
交際費が家計を圧迫していて、つき合いを断りたいけれど断れない、そんな悩みを抱え続けていませんか。なぜ断れないのか、その原因となっている気持ちと向き合ってみましょう。
「誘ってくれたのに断ったら申しわけない、がっかりさせてしまうかも」
優しい人は、相手をがっかりさせたくないという思いが、自分自身の都合よりも先にきてしまいます。相手の気持ちを考えることも大事ですが、自分の気持ちを必要以上に押し込んでしまう生き方には見直しが必要です。「家計がピンチ、行かなければよかった」というような後味が悪い思いは、誰でも避けたいはず。
「断ったら、今後誘ってもらえなくなるかも」
「お金がないと思われたくない」
友人と出かけたいときは、自分の都合のよいときに自分から声をかけてもいいのです。行く前も行った後も、よい気分が残るような交際だけに絞りましょう。また、返事の先延ばしは断りづらさが増してしまう原因になります。断りたいと思っているときは、なるべく早めに断りましょう。
断る判断に役立つ「交際費の予算決め」教えます!
誘いを断れない人は、ずるずると誘いにのってしまい支出が増えていくというパターンに陥ってしまいがち。自分を納得させる根拠を持つと、きっぱりと断る決心が、つきやすくなります。そのためにおすすめなのは、交際費予算を決めること。
一般的な交際費の目安は、収入の5~10%といわれています。例えば交際費を月2万円と決めたら、年間24万円で考えましょう。
ただし、季節によって飲み会に誘われやすい時期もあります。お祝いやお別れの品を購入するタイミングもあるはず。そのため、予算の配分を月ごとに変えるとよいでしょう。
【予算の配分例】
・送別会や新年会、歓迎会などが多くなる1月、4月、12月:3万円ずつで計9万円
・ゴールデンウィークや夏休みのある5月、8月:3万円ずつで計6万円
・その他の月:1万円ずつで計7万円
・予備費:2万円
月あたりの交際費を1万円にしたい場合、上記の金額を半分ずつにすればOK。交際費支出の多い時期は人によって異なるため、自分の生活スタイルに合わせて調整してみてください。
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人間関係を壊さないために、どんな断り方をすればいい?
せっかくの誘いを断るときは心苦しい思いをするものです。そのためか、断り下手な人は断る理由を必死に探そうとします。しかし、具体的な理由を告げずにシンプルに断っても何の問題もありません。
「誘ってくれてありがとう。うれしいけれど都合が悪くて参加できません」
また、断れない理由に合わせた言葉選びをしてもOKです。
「誘ってくれてありがとう。すごく素敵なプランだと思うし、うれしいけれど、今月は出費がかさんでお金に余裕がなくて。本当に残念。また誘ってもらえたらうれしい」
お金がないと思われたくない人は、用事を理由にしてもよいでしょう。
「大事な荷物が届くから、その日は家にいないといけなくて」
2次会へ行きたくないときは、体調などを理由にするとスマートです。
「最近疲れがたまっているから、きょうはそろそろ帰るね」
「昨日寝るのが遅くなって寝不足だから、ここで帰ります」
日本人は気遣いが上手といわれますが、気を遣いすぎてストレスをためてしまう人もいます。その上、家計が苦しくなってしまっているのであれば、生活バランスに合わない交際になっていると認めざるを得ないのではないでしょうか。
まず、誘いを断る行為自体を、誰もがしている普通の行為と自覚しましょう。感謝の気持ちを伝えながら断れば、人間関係が悪化する心配も要りません。楽な気持ちで、断り上手を目指してみてください。