以前このコラムで、花の写真は意外と売れないと書いたこともありますが、やはり撮っていて楽しいのは個人的には花の写真です。誰でもきれいな花を見かけると、ごく自然にスマホを向けてしまうものですよね?
季節の風を感じながら、美しい花を撮影する楽しみと撮影のポイントの一部を今回はご紹介しようと思います。
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ストックフォトとして、どんな構図で撮ったらいいのか?
これは駅前などにありがちな、ごく普通の花壇ポットです。こんなありきたりな小さな花壇からでも、何枚ものストックフォト撮影ができます。
私がまず考えるのは、どこをどうやって、どんな構図で切り取ろうか、ということです。
つまり、どんな構図で撮影すれば、ストックフォトとして売れそうな写真が撮れるのか、花壇ポットのまわりを歩きながら、花全体の様子を観察します。
まず最初に目を付けたのは、下のような構図です。
この構図を見ていただくとおわかりになるかと思いますが、花は右側に寄っていて、左側に空間が広がっています。この空間のことを「コピースペース」と呼び、ストックフォトには欠かせない空間です。このエリアに広告のキャッチフレーズ(コピー)や説明文などを配置することができる写真となっているのです。
最初の写真は、横位置で撮影しましたが、ひとつの被写体に対して横位置で撮ったら、必ず縦位置の写真も撮影しておきましょう。
横と縦の写真は、かならずワンセットで撮影することは、花の写真に限らずストックフォト撮影の際には常に意識しておいてほしいポイントです。
このようにコピースペースは少なくなりますが、華やかさを感じる花全体の写真も撮影しておくのもいいかもしれません。
暗い背景で花を撮るのもオススメ!
上の写真を撮るときに、もうひとつ注意したことがあります。それは、花そのものの背景が暗くなるような構図で撮影したことです。花の背景を暗くすると、花の美しさがより一層際立ち、花がくっきりと浮き出たような写真に仕上がります。
このアジサイは、今回の花壇の写真ではなく、PIXTAに登録しているストックフォトですが、背景が暗くなるようなポジションで撮影することで、アジサイの鮮やかさが引き立つ作品となるのです。
花の背景は青空もいい!
暗い背景で花を撮影すると美しさが際立つと書きましたが、青空をバックにした花の撮影もオススメです。個人的には最も好きな花の背景が実は青空です。
今回の花壇でも青空を背景にしたストックフォトを撮影してみました。
青空の「青」とパンジーの「黄色」がお互いを引き立てあっている写真に仕上がります。
今回の花壇で撮影した、青空を背景にした花の写真をさらにご紹介します。
コピースペースをしっかりと意識した作品となるよう、いつも注意しましょう。
今回はシンプルな青空でしたが、雲があるとよりいっそう豊かな表情を持った作品になるので、背景に白雲が入れられるなら、構図を工夫してみることをおすすめします。
PIXTAに登録している青空バックのヒマワリの花のストックフォトもご紹介します。
今回の花壇で撮影した作品をさらにご紹介しましょう。
このように街中にある、ごく普通の花壇でもたくさんのストックフォトが撮影できることをおわかりいただけたでしょうか?
ストックフォトの素材は、ごく身近に無限にあると言っても過言ではありません。
これは面白いかもと感じる素材があったら、どこをどう切り取るか(構図の工夫)、コピースペースをどう取り入れるか(商用素材としての利用価値)をいつも考えて撮影に取り組んでいただければと思います。
【ここがポイント!】
今回撮影した作品の多くで、カメラのズーム機能を利用していて、構図の決め手としてズーム機能に頼ることがほとんどです。カメラを構えて、そのままの画面でシャッターを押すことはなく、必ずズームを使って構図を決めていきます。つまり、ズームを使うことで画面に入ってほしくないものを排除していきます。
人に訴えかける写真を撮りたいときのポイントは、被写体の何を、どこを見てほしいのか、まずはっきりと意識することなのです。写真を撮るのがうまいとか、うまくないとか言う場合がありますが、一般的に撮り方がいま一つだと感じる写真は、画面から散漫な印象しか受けず、撮影者がいったい何を写したいのか一目でわからないという場合が多いものです。
そんなあいまいさを減らして、これを見てほしいと強調するのがズーム機能です。ただし、ただ単に近づけばいいという訳ではなく、見てほしい被写体の印象を妨げる要素を極力減らすために使ってほしいのがズーム機能です。ぜひお試しください!