銀行員の営業トークに騙されない3つの対策~経験者が語る銀行員の裏側~

2018年11月8日更新

みなさんは銀行というとどの様なイメージをお持ちでしょうか?
支店でお金を預けて、振込の処理をして、ATMの管理をして……と言ったように一日中お金を数えながら、安定して仕事をしているイメージが強いかもしれません。
しかし最近の銀行は経営状態が良くなく、人件費削減や経営統合を迫られるなど、厳しい局面になっております。辛うじて株式や債券の売却で利益を出している状態です。銀行員の営業ノルマも厳しくなり、社内評価やボーナス査定も年功序列から実力主義にシフトし、まさに草食系から肉食系になってきています。
そこで今回は、20年間銀行勤めで見てきた「裏側」をもとに、みなさんが思わぬ損失を招くことなく資産を守るヒントをお伝えします。

銀行はどのように利益を稼いでる?

まず銀行は、どのように利益を稼ぐのでしょうか。貸し出しは低金利であり、ほとんどもうかりません。銀行の収益源で存在感がでてきているのは、投資信託・生命保険などの金融商品販売です。

①投資信託の販売

「投資信託」とは株の寄せ集めです。お客様にとっては、例えば世界的有名ないIT企業の株を持ちたいと思っても高価で買えません。しかしその株式を組み入れた投資信託なら1万円でも購入できます。元本は保証されませんが、長期運用の期待ができる商品です。
銀行にとってのメリットは、お客様に購入いただくと、販売した銀行に手数料が入るのです。この手数料はお客様からもらいます。大きく手数料には3種類あって、販売した時の手数料・投資信託を持っている間の手数料・解約する時の手数料です。投資信託は手数料と隣り合わせなのです。
3つの手数料のうち、最初の販売手数料が大きいので、査定の項目になったりします。具体的にいくらくらいなのでしょうか?実は投資信託の種類によって結構差があります。
インデックスと言って、日経225など主要指標に連動するものは1%程度ですが、海外の株式など組み入れファンドは3%〜4%になります。当然銀行側からすると、インデックス型を100万円売ることと、海外ファンドを300万売ることと同じ査定になります。
「ノーロード」という言葉を聞いたことがありますか?インターネットなどで取り扱う販売手数料が無料の商品です。銀行にとっては販売手数料がはいりません。よって、銀行の思惑からすると、店頭で海外ファンドを販売することがコスパが良いということになります。

②生命保険の販売

銀行で販売する生命保険は「年金」といい、最初に決まった額を払い込んで10年以上運用するものが主流です。銀行で販売し、実際の運用は生命保険会社が行います。
名前は生命保険ですが、結局のところ生命保険会社は先程の投資信託や外貨で運用します。つまりお客様は投資信託と同じように最初に手数料を支払っているのです。
投資信託と比べ生命保険は更に極端です。円建といって日本円で運用する商品の販売手数料は2%〜3%くらいですが、外貨で運用する変額保険と言われるものは7%〜8%にものぼります。ただ、手数料をもらった以上、生命保険会社は一生懸命運用しますので商品としてはハイリスクなものではありません。ただ生命保険の場合、運用が長期なので、この手数料というものがわかりにくく誤魔化されやすい面があります。

銀行員と上手に付き合うポイント3つ

このように商品によって手数料に大きな差があると、自分本位の銀行はお客様のニーズを無視して手数料の高いものばかり売りつける恐れがあります。少し前この手数料について話題になった経緯もあり、比較的経営の安定している銀行はノルマから手数料を省き、お客様の財産をしっかり管理している事を評価しているケースもあります。もし銀行の担当者が次のような場合、注意した方がいいでしょう。

①手数料の高い商品ばかり勧めてこないか?

数ある商品を幅広く紹介することが銀行の役割です。担当者個人の意見であれば問題ないですが、特定の商品ばかり紹介することはお客様利益を損なうことにつながります。

②急なアポイントがないか?

銀行にとって手数料は販売と同時に入ります。よって営業のノルマ達成のため月末間際のセールスアポイントは要注意でしょう。

③銀行員の言いなりにならない

銀行員も人間です。銀行の言われるがままであれば、銀行に都合よく利用されます。先ほどの手数料も%でなく、金額でいくら払いのかしっかり問いましましょう。トップセールスの銀行員はお客様ニーズ・投資観をしっかり理解しています。どんなに担当と仲が良くても嫌なものは嫌と明確にしたほうが、却って有益な情報を持ってきてくれます。

しっかりと資産を守るためのポイント2つ

①即決しない

銀行から提案を受けた場合、即決は禁物です。難しい知識はいりません。今ある資産状況・出費予定を見直し、ご家族・ご友人の相談も有効です。熟慮したあとの決断であれば仮に運用がうまくいかなくても時間をかけて待てるものです。特に投資信託はクーリングオフが効かないので注意して下さい。

②相場状況に無関心は禁物

最近新興国のトルコ通過が目減りしています。銀行任せで放置していた方は対応が後回しになり、大きな損失が発生しました。新聞やパソコンで難しい相場を見るくらいなら、銀行に電話すれば今の状況や見通しを直ぐに教えてくれます。心配なことがあればまず動くことです。

この記事のライター

ya ko

地方銀行勤続20年で主に営業畑です。

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