「熟年離婚」は突然に。おひとりさまのお金問題

2018年11月8日更新

熟年離婚は財産分与こそが大仕事

ようやく長い仕事人生にもゴールが見え、ゆっくり夫婦の時間が過ごせそうと思っていた矢先、ある日突然、妻から離婚を切り出されたら、どうすればよいのでしょうか。
話し合いの末、妻に踏みとどまってもらうこともあるでしょうが、お互いのために離婚という結論を選ぶことになるかもしれません。老後をひとりで過ごす寂しさが押し寄せますが、現実にはお金の問題がのしかかってくるのです。
熟年離婚の場合、子どもがいてもすでに独立しており、養育費の支払いは発生しないケースがほとんどです。したがって、お金に関する取り決めとしては、財産分与をどうするかが中心になります。この場合の財産分与とは、婚姻中にふたりで築いた財産を生産して分けること。自分名義の預金だからと言って、全額自分がもらえるとは限らないのです。妻が専業主婦であったとしても、家事や育児を通じて家庭生活に貢献してきた分を財産分与することになるのが通常です。

年金も分割される

公的年金については、夫の厚生年金を受け取る権利を妻に与える「年金分割制度」があることを知っておきましょう。金額は原則として協議で決めることになりますが、最大で婚姻期間に応じた分の2分の1が限度。仮に1カ月あたりの厚生年金の金額が10万円、保険料の納付期間が22~60歳到達までの38年間、婚姻期間が32年間だったとすると、10万円×32/38の2分の1、つまり約4万2000円が妻の分の公的年金になります。
離婚時の財産分与に加えて、公的年金からも継続的にもっていかれるとはなんとも切ない話……ではあります。

「熟年再婚」に恵まれたら、注意したいこと

しかし、気持ちを切り替えれば、晴れて自由の身。独身となったわけで、「熟年再婚」のチャンスもあるのです。新たなパートナーとの新生活が心の穴とお財布を埋めてくれる、と期待が膨らむかもしれませんが、熟年再婚となると大なり小なりお互いに資産を持っているはず。
そこでもっとも気を付けたいのが、子どもたちへの配慮です。なぜなら、父親が再婚することで、相続の際、本来は母親か自分が受け取るはずの財産が突如として現れた女性のもとに行くことになるからです。もはや妄想の域かもしれませんが、熟年再婚のチャンスに恵まれたら、子どもには細心の配慮を心掛けましょう。
そして、年金分割で減ってしまった公的年金は熟年離婚をすれば再び二人分に戻ります。
しかし、再婚前に相手がもらっている公的年金額を聞いて期待が膨らんだとしても、それが再婚相手後にまるまる家計に入ってくるわけではないことに注意しましょう。なぜなら、もしも再婚相手が元の夫とは死別であり、遺族厚生年金をもらっていた場合、再婚後にはその支給がストップするからです。

老後には死別の可能性もある

熟年離婚ではなく、妻との死別によって老後にひとりになるという可能性もないわけではありません。こうした場合に公的年金がどうなるのかも気になるところです。
遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類がありますが、遺族基礎年金については、死亡した者によって生計を維持されていた「子のある配偶者」と「子」が対象となるため、専業主婦の妻に先立たれた夫は対象外。一方、遺族厚生年金は、共働きで妻も厚生年金に加入していた場合には、夫が55歳以上であるなどの受給要件を満たしていればもらうことができます。
「自分が先に死亡したら妻は遺族基礎年金がもらえるのに、妻が先に死亡したら自分はもらえないなんて不公平」という声が聞こえてきそうですが、これが現実。離婚はなくとも妻に先立たれては日常の家事に困るという人は、せめてお金の心配はしなくてもすむように、妻にも生命保険に加入してもらうなど対策を講じておくのがよいでしょう。
熟年離婚に死別……誰にとっても老後に「おひとりさま」になる可能性はないとはいえません。心の準備は簡単にはできなくても、財布の備えは今から対策しておくに越したことはありません。
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この記事のライター

マネラボ編集部

節約から投資まで、お金に関するさまざまなテーマのコラムを、わかりやすく・楽しく発信することに日々奔走中。誰もがお金と正しく付き合うための教養を身につけ、豊かな人生を送るためのヒントを提供しています。

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