50歳は始まりの歳 自分自身とうまく付き合う視点とは

2018年9月19日

その場所に立ったときにしか見えない風景というものがあります。
歳を重ねるということもまた、そういうことなのかもしれません。人それぞれの50歳があり、一区切りのつけ方や物事の捉え方、これから先の未来の描き方も誰一人として同じものはありません。まさに千差万別であるといえるでしょう。
広瀬裕子著『50歳からはじまる、あたらしい暮らし』 より、著者が感じている「50歳」に必要なことや、自分自身に訪れる変化に対する考え方をご紹介します。

50歳は新しく始まる歳

1968年に造られた車に乗っていたことがありました。うつくしい車でした。うつくしい車でしたが、定期的にメンテナンスが必要でした。中略
あの車と人は似ている、と思います。中略
けれど、ときに、多少の不便は覚悟しないといけない。歳を重ねるというのは、そういうことだと思うのです。
<14~15ページより引用>
エッセイストであり編集者でもある著者。日々の時間、食べるものや使うものに関する丁寧な視点が人気です。
本著の内容も、文章だけではなく、著者のセンスが光る多くの素敵な写真が掲載されています。その中において、40歳と50歳の違いをこのように著者は語っています。
40歳をむかえるときと50歳になるときとでは、ずいぶんと気持ちが違っていたということ。たとえていうなら、40歳は30代の延長線上にあるもの。50歳はその先の年齢である60歳や70代へと続く歳。一区切りであり、次の章であり、「あたらしくはじまる」という感じであったのだとか。
そして、40歳と50歳では、「ギア」が違っている。心と体の深い部分で違ってきていることがわかるのだといいます。
年齢を重ねるということは、体や命、自分というものの変化を受け止め続けることなのかもしれません。徐々に変わることもあれば、あるとき、突然に変化することも。
だからこそ、古い素敵な車の手入れと同じように、丁寧に扱い、手入れをしつつ好きなところを見つける。そして、覚悟しながら支度をして過ごすことが大事なのだと著者はいいます。
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年齢とともに変わるからだの声を聞く

からだが変わる年齢があります。すぎてしまえば調子をとりもどせるのですが、渦中のときは、辛いと感じることがあります。そういうときは、なにかを変えるチャンスでもあり、変化を教えてくれているときでもあります。いままでの食事、習慣、当たり前にしていたことをもう一度、見直してみる。そんなことがない限り、なかなか、自分の暮らしを省みる時間を持てません。
<42ページより引用>
誰しも若い頃と違って、体を整えることが年齢とともに必要になってきます。体が変わっていくときに表れる不調について。できることなら、親しい人に自分の状態やどう感じているのかを丁寧に伝え、理解してもらうことが良いと著者はいいます。
そんなときに必要なのは、何かのせいにしたりしないで、静かに穏やかに伝えることなのだとか。周りからの理解は、ずいぶんと体も気持ちも楽にしてくれるようです。
そのように過ごしていくうちに、変わったからだとうまく付き合うことができるようになっていくようです。体の変化に体が慣れてくるまで、自分自身を責めない。そういうあり方も歳を重ねることの一部なのかもしれません。
著者自身も、体の感覚により気を配るようになったのだとか。実践していることの一つに、心身が緊張するようなところには、可能な限り自分を置かないようにする。迷うときには、緊張しない方を選ぶということをあげています。
体は頭(知識)よりも正直なもの。できるだけ変わっていく体の声を聞くようにするのが、訪れた変わり目を良い形で乗り切っていくポイントといえそうです。

「食べる、歩く、ねむる、呼吸、信頼」で整える

著者にとっての整え方は、具体的には「食べる、歩く、ねむる、呼吸、信頼」であるといいます。
たとえば、食事はできるだけ季節のものをいただく。さっと料理してきちんと噛み、食べ過ぎないようにしているのだとか。
睡眠は、安心できる場所で。午後10時から午前2時の間に深い眠りにつく。5つのことはつい忘れてしまいがちなことばかりですが、どこにいてもいつからでも始められることなので、時々思い出しているのだといいます。
変わり目は新しい物事の始まり。50歳を迎えたら、自分自身の変化とうまく付き合っていく視点が大事なようです。
タイトル: 50歳からはじまる、あたらしい暮らし
著者:広瀬裕子
発行:PHP研究所
定価:  1620円(税込)

この記事のライター

ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家&ブックコーディネーター。元・銀行員であり図書館司書。現在は、女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っている。【女性限定】「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。https://www.filage.co/

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