米国では代表的なインデックス型投信を長期保有することに対して、手抜きのポートフォリオであると揶揄されることが多い。しかし実際には、ウォーレン・バフェットをはじめ多くの伝説的な投資家が推奨する投資方法であるのです。
賢者の投資方法とは
1929年から始まった世界恐慌の後、米国株は数回の大幅な下落を経験しているとはいえ、長い目で見れば一貫して上昇してきたという結果になっているため、とりわけ米国ではこの手法が有効であるとされています。
これに対して、30年近くも株価が史上最高値を抜けない日本株であっても、投資経験が浅い人や投資の初心者であっても、余計なストレスを抱えずに、かつ、リスクを抑えながら投資する方法があります。それは、相場の上下の波に一喜一憂することなく、定期的に低コストのETFや投資信託を同額ずつ継続して買っていくという方法です。
その結果として、株価が安いときに多い株数を買い、高いときに少ない株数を買うことになり、ひとたび大きな上昇トレンドに入れば利益が増えやすいというメリットが享受できるというわけです。
そういったシンプルな投資手法をより効率的にさせたものが、私が実践している投資スタイルです。たとえば、もっとも安全なETFへの投資をするときは、大きな上昇相場で過熱感が出てきたと思ったら利益確定を進め、比較的短い期間でノーポジションに持っていきます。
それとは逆に、大きな下落相場でセリング・クライマックスが近いと思ったら、少しずつ買ってポジションを増やしていきます。この手法であれば、余計なことを考えずに機械的にできますし、精神的にも非常に楽な状態で取り組むことができます。
それに加えて、世界的な景気の動向や金融政策の方向性を考慮に入れながら、保有ポジションを0%~100%までメリハリをつけて戦略を構築していけば、いっそう効果が表れてきます。世界のGDPと比較した株式時価総額が膨らんでいる点、世界のGDPと比較した債務残高が膨らんでいる点、米国の好景気の賞味期限が近い点などを考えれば、現時点ではポジションは少なめにして、下落相場に備えるスタンスを取ることが重要です。
目下のところ、世界中でAI運用の成績の良さが注目されていますが、日本株にかぎってみれば、AI運用は苦戦を強いられています。今年の日本株は過去の経験則に当てはまらないことが多く、過去のデータが土台になっているAIでは上手く対応できていないというのです。多くの運用担当者や個人投資家が上手くいっていない現状を見ると、それも納得ができます。やはり今年はできるだけ損を出さないというスタンスで間違っていなかったと思っております。
次回はもっと実践的であり、堅実性とパフォーマンスの両立ができる投資方法についてご紹介したいと思います。
なお、私のブログ『経済を読む』においては、大事な局面では株価の流れを分析していることもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
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