PER(株価収益率)は株購入時の判断材料に

2020年4月2日更新

株式投資をする場合、「どのような銘柄を選ぶと利益が出そうか?」を見極めることが必要になります。値上がりしそうな銘柄を選ぶ方法やテクニックはいくつかあるのですが、今回は購入するべきかの判断方法として知っておきたい、PERについて述べてみたいと思います。

PERとは何?

株に興味がある人ならば、一度は耳にしたことのあるPER。そもそもPERとは、企業がこれから稼ぐとも思われる利益と比べて、現在の株価が割高かどうかを見極めるときに使う、投資の参考にする指標と言われています。

投資元本を何年で回収できるかを表した指標

投資する際に、銘柄選びをする指標のなかにおいて、PERは、投資家が投資した元本を、何年で回収できるかを表した指標となります。
たとえば、1株あたりの年間の純利益が100円の株を1,000円で購入した場合、投資金額を回収するまでには10年かかることになります。そしてこの年数が倍率となり、PERが10倍の銘柄であるということになります。
ただし、ここで言う純利益とは、投資家個人が全てを手にする金額という訳ではありません。純利益の100円は、配当金として投資家に還元されるものや企業に内部留保金として留まることになります。つまり、配当金+内部留保金が100円になるという考え方ですので、単純に倍率分の利益が得られる訳ではないことを理解しておく必要があります。

PERの計算方法

つづいてPERの計算方法について知っておきましょう。
PER=株価/1株あたりの純利益
先に示した例を計算式に当てはめると、株価1,000円/純利益100円=PER10倍
となります。
株価や純利益を知る方法は、会社四季報などから拾うことができますし、格付け会社からでも情報を得ることができます。気になる会社があれば、是非、確認してみましょう。

PERが高い銘柄・低い銘柄

PERが高い銘柄は、投資した金額が回収できる期間が倍率の分、長くかかる銘柄であり、一般的に割高な銘柄と言われています。とはいえ、言い替えれば、まだまだこれからの企業であり、今後の業績アップや成長が期待できることを意味しています。
反対にPERが低い銘柄は、投資した金額が回収できる期間が倍率の分、かかる時間が短い銘柄であり、一般的に割安な銘柄、割安株と言われています。ただし、PERが低い銘柄は問題を抱えている企業である可能性もありますので、注意しましょう。

利益確定の目処はPERを考える

PERの基本が分かったところで、どのように活用するのかも知っておく必要があります。もちろん、その銘柄が割高か割安かで投資する・しないを決めても良いのですが、一瞬だけを切り取って判断するのは、危険な行為です。
ご存知のように、株価は企業の業績だけでなく、世の中で起こった事件や事故の影響を受けることになります。企業本来の姿を知るためには、特定した年のPERだけでなく、最低でも前後3年程度の業績から、PERを判断することが必要です。

初心者の方は15倍を目安に

日本の上場企業の場合、PERの平均値は15倍と言われています。そしてこのPER15倍こそが、基準であり、PERが15倍を超えている場合には割高となり、下回っているときには割安と判断されます。
特に初心者の場合、慣れるまでは基準値である15倍の銘柄を目安に選んでいくと安心です。基準値であるからこそ、大きな利益を得ることはないかもしれませんが、その一方で大きな損失を被ることも防げる可能性が高くなるからです。

慣れてきたら30倍にしてみる

実際に取引を重ねていきPERに慣れていったら、15倍にこだわることなく、もっと大きな倍率の銘柄にチャレンジしても良いでしょう。初心者からすると、PER30倍は、とてつもなく気が遠くなる年数のように感じるかもしれませんが、それだけ成長する可能性があるという証拠です。
もちろん、本当に30年かからないと投資した元本が回収できないと言う銘柄があることも考えられます。PERと併せて関連するPBRやROEなどの指標も参考に、選んでみても良いでしょう。
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この記事のライター

飯田 道子

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト。
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国への移住相談や金融・保険情報を得意としている。趣味が高じてスキーやスキューバーダイビングのインストラクターも経験。現在は、数秘&カラーの上級トレーナーとしての顔も持つ。

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