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2019年8月12日更新

負債の定義とは?借金との違いを解説

前回、前々回は「資産」とは何なのか?についてお話ししました。
では今日はその逆…とも言える「負債」について考えてみましょう。

負債:お金が出ていくもの

「負債」というと…まず最初に浮かぶのは「借金」だと思います。確かにその通りなのですが、会計における「負債」には我々がイメージする「借金」よりもより広いものが含まれます。ですから「負債」をより的確に認識するためには「借金」という考え方よりもむしろ「お金が出ていくもの」という考え方のほうが良いかもしれません。
今日はそんな「負債」の定義について押さえておきましょう。

①お金をとられるもの

これはまず「借金」そのものですね。ただ「借金」と言えば、何やら紙に「〇月末日に〇〇から〇〇万円借りました」と借用書を書くイメージがありますが、この場合の「借金」には口約束も含まれます。何を購入して請求書を受け取っているのに、口頭で「あ、それは来月払います」と言ったものも含まれるのです。広い意味ではこれも立派な「借金」だからです。
また、人から預かったお金もこの広い意味での「借金」と言えます。不動産投資をしている人であれば馴染みが深い「敷金」などがそうですね。大家さん目線だとお金が入ってきてうれしい気もするのですが、ご存じの通りこの敷金は賃貸契約の終了時に店子さんに返す必要があるもの。そう考えるとこの「敷金」も借金と言えるのです。

②将来もらえるお金を減らすもの

ちょっと難しいと思いますが、将来もらえるハズだったお金を減らすもの…というイメージです。例えば「前受金」。何か商売をやっているとまだ何も売っていないのに「手付金」としてお金を先にもらうことがあります。これは儲かったような気がするのですが、手付金として受け取った分だけ、将来もらえるお金は減っていると言えます。そのためこれは「将来もらえるお金を減らすもの」として「負債」に認識されるのです。

③お金をとられる「可能性が高い」もの

これが会計の面白いところです。
①②は説明すれば、会社ではなく皆さん個人にも当てはめることができるので、理解は早いと思うのですが、この③は少し難しいと思います。
会計の世界では、私たちが思うよりもだいぶ「借金」の概念が広く、確定はしていなくてもたぶん払わないといけないもの…も借金と考え負債として認識する必要があるのです。
例えば残業代。
ある月の残業代は月末締めで集計され、翌月の25日に支払われる場合、まだ給与明細は出ていないにも拘わらずその月末時点ではその会社の借金として認識するべきとなります。残業代を払う義務は会社にあるからです。
さらにこの概念は広がり、ボーナスや退職金も会社にとっての借金です。
ボーナスの日までに従業員が退職したり、1年や2年以内に従業員が退職した場合、会社はボーナスや退職金は払う必要はありません。しかし、通常ボーナスの日までは退職しないケースが多いですし、多くの従業員は定年まで勤めあげる人が多いでしょう。
その場合、確定していないとはいえボーナスや退職金は会社にとっての「たぶん払わないといけない借金」と考えることができるのです。
この概念は私たち個人の感覚だと非常になじみにくいものですので、次回はこの③にターゲットを絞って解説したいと思います。

この記事のライター

野瀬大樹

公認会計士・税理士。大手監査法人にて会計監査 、株式公開支援、財務調査、内部統制構築業務にかかわる。会計のプロとしての視点から家計のリストラに着手し、支出を1年で50%減らす。さらに自身の労働時間を年間1000時間減らす中で、所得の増加にも成功している。公認会計士協会主催の講習の講師も務め、小中学生に会計とお金の話をわかりやすく伝える授業には定評がある。著書に「20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとやばいですよ!」(クロスメディア・パブリッシング) 、「自分でできる 個人事業主のための青色申告と節税がわかる本」(ソーテック社)などがある。

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