もし、何らかの理由で、多額のキャッシュが急に手元に入ってきたら。そんな夢のような話が、意外と身近にあるようです。せっかく入った資産を、慌てることなく末長く守っていきたいものです。
PIM総研著『いきなりキャッシュリッチになった人のための資産防衛術』より、ある日突然富裕層になったときのために知っておきたい考え方をご紹介します。
一代で富裕層になる時代
資産を守るーというと後ろ向きの守りのように聞こえますが、本書を読まれた方は逆の発想を持つことでしょう。
6ページより引用
著者であるPIM総研は、資産形成に適したワンルームマンション販売と賃貸管理のプロフェッショナル集団で、株式会社PIMを母体としたシンクタンクです。
主な顧客は富裕層で、不動産投資を軸に据えた資産運用と資産保全の情報調査、研究、提供を行なっています。
富裕層の場合は、これから資産を増やそうというよりも、今ある資産をどう維持していくかがポイントなってくるのだとか。日本では相続を3回繰り返すと、資産はほとんど残らないといった説もあるくらい、世界的に見て相続税が高いことで知られています。
しかし、意外なことに、最近の傾向として富裕層と呼ばれる人たちが増えているというのです。大会社の御曹司や昔からの土地持ちだけではなく、株式や事業を売却して、ある日突然莫大なキャッシュが手元に転がり込んできた人たち。大企業の役員を長年務めてきて、退職金が億を超える人など、一代で富裕層になる人が相当数いるといいます。
M&A市場がかつて無いほど賑わいを示している昨今、事業を売却することで富裕層になる人は、ますます増えていくのかもしれません。
だからこそ、せっかく入ってきた資産をしっかりと守るための考え方を知っておく必要があるといえるでしょう。
不動産投資・経営は資産防衛に向いている
つまり、規模の大小はさておき、「不動産を介在させないかぎり、末代までの繁栄はない」と、断言してもいいのではないでしょうか。
22ページより引用
本著は、PIM総研の上席研究員であるSさんという実在の富裕層をモデルに、さまざまな資産保全の対策がまとめられています。
Sさんは、仲間と立ち上げたIT会社を大手企業に売却することで、数年前に12億円のキャッシュを手にしたのだといいます。事業を売却したSさんは、「未来永劫に続くベーシックインカムの仕組みづくり」に力を注いでいるのだとか。
不動産投資や賃貸管理業は、江戸時代から続いている事業。大手出版社や大手私鉄、百貨店も不動産業無くして事業が成り立たないのが実情です。だからこそ、たしかなパートナーを選び、不動産業を介在させるのが、長く資産を守るコツになるといえるでしょう。
そして、投機ではなく事業(不動産投資・経営)を選ぶことが重要だといいます。資産として安全、税金面でのメリットが大きい、相続税を圧縮できる、手間がかからない投資である、ビジネスセンスを活かせるといった利点があるようです。
不動産投資・経営は、資産防衛に向いているといえそうです。
法人化による不動産投資・経営のメリット
富裕層の人が資産防衛で収益不動産投資を行う場合、個人と法人の税制の違いをふまえて、最初から法人化による不動産投資・経営をしていくことを著者は勧めています。
法人設立にあたって考慮すべきことは、税制面のメリットを活用しつつ簡単に運営できるという点ですが、選択肢として3つ挙げられています。
①不動産保有会社をつくる
②不動産管理会社をつくる
③サブリース会社をつくる
法人化による不動産経営は、所得税の軽減だけではなく、相続税の軽減にも有効だといいます。
仮にいきなり多額のキャッシュが入ってきても慌てないように、資産を守る手段を知っておきたいものです。
タイトル:いきなりキャッシュリッチになった人のための資産防衛術
著者:PIM総研
発行:クロスメディア・パブリッシング
定価:1,480円(税抜)