株式投資においては、どの銘柄に投資するかということも大切ですが、どのセクターに投資をするかということも大変重要となります。
それというのも、景気の局面によって上昇する傾向のあるセクター、下落する傾向のあるセクターが存在するからです。
今回は景気の波と株式投資におけるセクターの関係について紹介します。
「セクターローテーションって何?」
「景気と株式投資の関係について知りたい」
という方はぜひ最後まで読んでいただき参考にしてください。
Contents
セクターローテーションとはどういうこと?
セクターローテーションとは景気の動向によって、買われやすいセクターがあることを利用して、景気動向を分析して今後上昇する可能性が高いセクターに乗り換え続ける(ローテーション)するという投資法です。
うまくセクターローテーションができれば、常に相対的に上昇力の高い銘柄に株式投資ができますので、効率的に資産を増やすことができます。
ここでは、景気の4つのサイクルと景気の動向を先読みした投資方法について紹介します。
4つの景気サイクル
景気には4つのサイクルがあります。
①キチンサイクル
キチンサイクルは40ヶ月程度の短期のサイクルで、在庫変動に基づく景気サイクルです。
企業の在庫は生産と消費(販売)により変動します。
消費を生産が上回っている場合は在庫は増え、在庫を抱えすぎれば企業業績を圧迫します。
②ジュグラーサイクル
ジュグラーサイクルは10年程度のサイクルで、設備投資に基づく景気サイクルです。
企業は物が売れるときは設備投資を行い、売れなくなれば設備投資を抑えます。
設備は投資を行えばすぐに完成するものではありませんので、キチンサイクルより長いサイクルとなります。
③クズネッツサイクル
クズネッツサイクルは20年程度のサイクルで、建物などの建設需要に基づくサイクルです。
④コンドラチェフサイクル
コンドラチェフサイクルは50年程度の長期のサイクルで、産業革命などの技術革新に基づくサイクルです。
最近ではインターネットなどITの発達による技術革新がありました。
景気サイクルはこれら4つのサイクルが複合的に合わさっており、それぞれのサイクルが上昇局面なのか下落局面なのかを見極めることでより詳細な景気動向をつかむことができます。
景気の動向を先読みして投資
景気の動向を先読みできれば、次に上昇しそうなセクターに前もって投資を行うことが可能となります。
例えば景気が良くなる局面では、金融株や工業株、素材株など好況の恩恵を受けやすい
株に投資を行い、反対に景気が悪くなる局面では、公共性の高い株やヘルスケア関連株など不況期でも一定の需要が見込める株に投資を行うといった投資です。
セクター(業種)は分散投資したほうがよい
景気の動向を読んで投資に生かすことも重要ですが、景気の動向は専門家でも簡単に読めるものではありません。
また、教科書どおりに特定の景気局面で特定のセクターが必ず上昇するとは限りません。
そのため、セクターは分散して投資を行うことが重要です。
1つのセクターに偏ってはいけない
1つのセクターに偏った投資を行った場合、景気の読みや投資しているセクター自体に何か問題が起きた場合、多大な損失を被ってしまいます。
景気の動向を読んで投資を行うことは重要ですが、いくら次に上昇しそうなセクターがあったとしても1つのセクターに全財産を投資するのは危険です。
複数のセクターに投資を行うように心がけましょう。
同じセクターでも事業分野はそれぞれ違う
セクターが同じであっても、企業ごとに事業分野はそれぞれ異なります。
例えば、同じ自動車関連株であっても完成品メーカーなのか部品メーカーなのか、同じ部品メーカーであっても取引先は特定の自動車メーカーのみなのか、幅広い自動車メーカーと取引しているのかといった具合です。
ヘルスケア関連株でも、薬品メーカーなのか医療機器メーカーなのかなどでも事業分野は大きく異なりますので、同じセクターの企業であっても事業内容をしっかりと確認することが重要となります。
事業分野が異なれば、同じセクターであっても株価の動きが全く異なることも多いので注意が必要です。