先日、住んでいる市が主催する「生涯現役をめざした、生活設計セミナー」を受講しました。きっかけは「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください」というタイトル。テレビや雑誌で活躍されている経済評論家、山崎元先生のご著書に刺激を受けたのです。お金のことは難しすぎて分からない。かといってこのままでいんだろうか?と思っていました。本書は「お金」のことに疎い人にもとても分かりやすく投資や運用、制度についてまとめられていました。丁度いい機会なのでセミナーを受けてシニア世代が目指す老後の生活設計とお金のリアルを知っておきたいと思ったのです。
65歳でリタイアリタイアしたら3600万円不足。
セミナーでは総務省統計局、家計報告書2018年による資料よりおひとり様のリアルな支出を知ることができました。「高齢者、単身無職世帯の家計収支」を参考に支出合計は161,995円。ただし、住居費が18,286円とかなり低め。それは自分には現実的ではないのでプラス5万円計上。私の予定年金は9万円程度です。65歳でリタイアし平均寿命の87歳で天に召される。それも介護をされず、ぽっくりと逝った場合でも年金以外の不足金3600万円が必要。こうして現実を直視するとあまり呑気にはしていられません。
最低限生活できる年金は支給される
本書には「老後はいくら必要か?」という項目がありました。山崎先生は、おそらく最低限生活できるくらいの年金は支給される。そして歳をとれば、活動的でなくなり、衣食住にかかる費用や交際費、交通費なども現役時代よりも減る、とありました。セミナーを受けるまでは「老後の不足金?そんなの分からない」でした。想像できずに脳天気でなんとかなるでしょう、と思っていました。だって、今後高齢者がもっと増えれば、その人達の為の政治政策に変化していくのではないかと思うのです。安定した雇用、医療に対する援助等が整備されて暮らしやすくなるはず。暮らしに必要な最低限の年金は支給されるのではないだろうか。でなければ、国には生活困窮者で溢れかえることになりませんか。それでは国は破綻すると思っています。
預金は複利で増やす「72の法則」
本書を読んで、老後のお金に対する考え方の指針が見えてきました。65歳からの老後30年生きるとして、360万円を貯めていれば、年金にひと月あたりプラス1万円の生活。とても分かりやすい考え方ですね。10万円プラスなら3600万円必要。5万円ならば1800万円。老後が遅ければ遅いほど、不足金額も減ります。そしてもう一つ勉強になったのが、お金は複利で増やしていくこと。その複利には「72の法則」というものがあるらしいのです。
72÷利率(%)=2倍になるまでにかかるおおよその年数。
例えば貯金を5%で運用して2倍になるまでの年数は14.4年。3%なら24年。「72」という数字と利率で簡単に分かりますね。ほんと勉強になりました。例えば56歳で200万円投資して、5%運用ですると70歳には400万円になる。3%なら80歳。具体的な計算方法がわかると、それだけでやるべきことが見えてきました。
介護期間と費用
セミナーでは介護とお金の話にもおよびました。平成30年の民間調査資料を参考に、介護期間4年7ケ月。介護一時金69万、月額介護費用7.8万円と調査結果があり。55月×7.8万+69万=498万円必要。老後への投資はそのまま介護費用となりそうです。老人ホームで暮らす母のひと月の生活費は20万円強です。年金にちょうど5万円足りないというリアルさに妙に納得したのでした。
65歳から支給される年金を70歳まで繰り下げ、支給額を1ケ月につき0.7%増額する。そしてやはり生涯現役でいることは必須だと改めて確認しました。
2,000万円の老後資金を貯めるために必要な知識が最短3カ月で完全取得できる