40代でも60代でも、今すぐ始めるといい片付け法があるといいます。日本の終活とも少し違う、スウェーデン発「終いじたく」という考え方。
これからの暮らしを整えて、秩序をずっと保っていく身の回りの片付けは、自分自身の気持ちも満たされて、周りもハッピーになっていくのだといいます。
ストックホルムに住むマルガレータ・マグヌセン著『人生は手放した数だけ豊かになる』 より、自分を大切にするための片付け方法をご紹介します。
「終いじたく」は早い方がいい
言葉は耳慣れないでしょうが、「終いじたく」そのものは、決して新しくはありません。要するに身のまわりをひととおり掃除して、整理して、暮らしのごちゃごちゃをなくしてすっきりすること。年老いたとき、人生の終わりに接したときに、この問題を実感することが多いのですが、その時期だけとはかぎりません。
<16〜17ページより引用>
日本においてはひと頃より終活がブームになりましたが、その流れは世界中でおきているようです。
「DEATH CLEANING」は、「終いじたく」の意味。「終いじたく」という考え方は、スウェーデンにおいて、人生のゴールが見えてきたときに始める、お片づけのことを指しているのだといいます。
この世を去るのはまだまだ先の話であったとしても、女性は何かと荷物が多いもの。後始末ではなく、自分が誰かから送られる番が来る前に、きちんと片付けをしておくことは大事なことです。
「死ぬときのことなんて考えられないわ」という人も多くいることでしょう。
しかし、そういう人がたいていたくさんの荷物を残していくと著者は語ります。手放したいものがいつまでもそばにあると気持ちの重石になってしまう。
これからの暮らしが楽になるように、整えてその秩序を保っていく作業が大切なようです。
今の生活を大切にしながらの「終いじたく」
片付けをしている最中でも、ふだんの生活に目を向けるようにしましょう。今の住まいと、庭があるなら庭、それから自分自身を大切にしなくては。暮らしを小さくすると決めたなら、くれぐれもあせらずに。それなりの時間をかけて、自分に合ったペースで進めましょう。
<94ページより引用>
100歳まで楽しく実践していく「終いじたく」を、47項目あげている著者。その中で、「終いじたく」を進める上で大切な考え方に触れています。
片付けを始めると、つい夢中になってしまい、疲れ果ててしまうことも。作業を始めたらあまり根を詰めないことが大事であると著者はいいます。
たとえば他人の手を借りることも一つの方法かもしれませんが、お金もかかるし、他人の時間を奪ってしまことになるでしょう。だとしたら、自分のコンディションを見ながら、気長にやっていくことがポイントなのかもしれません。
しかし、「終いじたく」は、過去の思い出に浸ることではないと著者はさらに釘をさしています。未来の準備をすることであり、この先の暮らしがずっと楽になっていく。豊かな人生の再スタートなのだと認識しておく必要がありそうです。
女には四度「そのとき」が訪れる
本著の解説には、下重暁子氏が解説を寄せています。その中で、女には四度「そのとき」が訪れると語っています。
たとえば、著者の場合は、実母、義母、夫、そして自分。下重氏も、両親が暮らした一軒家の片付けは大変であったといいます。多くの大切な人を送った後に、やがて自分の番がくるということを心において。
人生100年時代、「本当に大切なものとだけ、長く暮らしなさい」という著者の教えを肝に命じておきたいものです。
タイトル: 人生は手放した数だけ豊かになる
著者:マルガレータ・マグヌセン
発行:三笠書房
定価: 1,512円(税込)