定年後再雇用のジレンマ

2018年10月19日

定年後、今まで働いてきた会社と再雇用契約して、この10月に2年目に入りました。
約3ヵ月前の7月には契約を更新するかしないかで相当悩みましたが、結局更新することにしました。
理由は、やはり経済的な理由です。
雇われない生活で自由を取るか、それとも雇われる生活を続けるのか!
一晩ほとんど寝ないで、結局もう一年務めることにしました。

サラリーマンなんて気楽な稼業、ではない


サラリーマンを何年も何十年も続けている人は、決してサラリーマン生活は気楽なものだとは思わないでしょう。
時には自分を殺して会社のため、家族のために働かなければなりません。
何度も悔しい思いをしたかもしれません。
何度も屈辱を舐めたかもしれません。
中には、ストレスで体や心を病んだ人もいるでしょう。
でも、風に負けても、雨に濡れて、30数年頑張って定年になった人は、僕はそれだけで立派な偉業だと思います。
自分を含めて、心より拍手を送りたいと思います。

再雇用は延長戦

定年後も働かなければならない理由は、一番は経済的な理由だと思います。
僕もそうですが、現役時代には、住宅ローン、子供の教育費などで、十分は貯金は出来ませんでした。
僕の場合は、3人の子供が全員私立大学にいったので、大変でした。働き者の配偶者がいたので、なんとかやってこられたと思います。
さて、そんなことで定年になって退職金をもらっても、それまでの不足分にあてがったりして結局貯金できたのは半分くらいでした。
でもそれは老後のためにとっておかないといけないので、定年になっても働かなければいけない。
特に現代では、悠々自適は死後になりつつあります。いや、もうなっています。
とりあえず、今の会社で65歳まで働けると、約8割の人が再雇用を選ぶのが現状です。
つまり、定年でお金の決着が着かないから、期限限定の延長戦に入ったようなものです。

延長戦には自由はなく、ジレンマと不満の日々

ところが、いざ再雇用の現実に入ってみると一番のジレンマは権限と責任の問題です。
つまり再雇用になれば、役職もなくなり、有期の契約社員です。つまり権限も責任もないのです。
ところがこれが結構あいまいなんですね。どちらかという権限はないのに、責任を求められるという感じです。
なんだか日本社会の縮図を見るようで、権限のある人は責任取らず、権限のない者に責任を押し付ける、という感じです。
特に昨年の10月1日は、変な感じでした。昨日までは役職者で、今日からは有期の契約社員です。しばらくは、役職名で呼ばれ、いちいちそれを訂正する日々でした。再雇用の1年目は、減速の1年でした。
また、僕が再雇用になって上司としてきた人物が12歳年下ですが、以前の会社で労働組合にいた人で、雇われる側の権利を尊重する人でした。
その点は、働きやすかったと感謝しています。

最後に


僕は、定年後の再雇用を更新したことを正しい選択だったのかどうか、多少後悔しています。
ラテン語のことわざに
「どんなに黄金を積まれても決して自由を売り渡してはならない」というものがあるそうです。
そのことわざで行くと、黄金とは程遠い、僅かな生活費と引き換えに僕は、自由になれることを売り渡すことになります。
これからの1年、葛藤は続きます。

この記事のライター

こめまる

1957年9月、富山県生まれ、早稲田大学社会科学部を卒業後、港区の宝飾品専門会社に入社。2017年9月、同社を定年退職し、そのまま再雇用制度を利用し、継続勤務中。現在、横浜市のアパートに妻、娘2名、猫3匹と同居
定年退職の約1年前より、ブログ「中年は荒野をめざす」を運営し、リアルな定年前と定年後の生き方を発信中。
定年後も体が続く限り働くことをモットーとし、働くことは、健康を維持し、生きがいを感じ、生活費を得る良い手段と考え、日々フルタイムで働いています。
クラシック音楽を聴くことを趣味とし、現在LP、CD合わせて1000枚以上所有。聴かずに死ねるかとマニアックな名盤、珍盤を日々集め、聴きまくっています。

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