メディアやネット上では「老後に2,000万円不足する。いや3,000万円くらいないと厳しい」など様々な数字が飛び交っています。数字というものは伝わりやすく印象に残りやすいので、不安に感じた人も多いことでしょう。不安とは「何か行動を起こせ」という体からのサインでもあります。2,000万円や3,000万円という数字に踊らされることなく「自分の場合はどうなのか? 」と自分自身に置き換え、できることから実行することが大切です。
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自分の公的年金はいくらになりそう? その調べ方
そもそも自分がどのくらい公的年金がもらえそうなのか? 数字で把握できないと、不足額に対するイメージも湧わかないと思います。そこで、公的年金の金額を調べる方法を3つご紹介しておきます。
・ねんきん定期便を見る
・ねんきんネットで試算する
・年金事務所で試算してもらう
※共済組合の期間がある方は、それぞれの共済組合にお問い合わせください
ねんきん定期便
ねんきん定期便は誕生月にはがき形式で届くので、開いて中を見るだけなのでお手軽に金額を知ることができます。ただし、ねんきん定期便に記載されている年金額にはちょっと注意が必要です。なぜなら、50歳未満の人の場合、今まで加入した記録だけで計算した金額が記載されているからです。
つまり、これから加入するであろう将来の部分はまったく年金額に反映されていません。注意書きをよく読まずに年金額だけを見ると「え? こんなに少ないの? 」とびっくりしてしまうことでしょう。50歳以上の人の場合、現在加入している年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けたものとして計算した金額が記載されています。現在は継続雇用などで65歳や70歳まで厚生年金保険に加入する人も増えてきています。そのような方は、ねんきん定期便だけでは金額が把握しきれない、という現状があります。
ねんきんネット
ねんきんネットは、パソコンやスマホから24時間いつでも利用できるサービスです。
ねんきんネットには「年金見込額試算」というページがあります。何歳まで年金に加入する予定か? 今後の給料やボーナスはいくらになりそうか? など自分で条件を入力することも可能です。慣れるまで操作が面倒なところもありますが、ねんきん定期便に比べ、より現実に近い金額を把握することができるでしょう。ねんきんネットを利用するためにはユーザIDとパスワードが必要です。
日本年金機構が運営するサイトから利用登録の手続きができます。
(ねんきんネット:https://www.nenkin.go.jp/n_net/)
年金事務所
年金事務所では、窓口で年金額を試算してもらい、プリントアウトした資料をもらうことができます。何歳まで年金に加入する予定か? 給料やボーナスはどのくらいに設定するか? などいくつかのパターンに分けて試算してもらうこともできます。ただし50歳以上の方でないと年金事務所では試算してもらえません。そのようなルールになっているからです。年金事務所は予約制となっているので、電話や総合窓口で予約をするようにしてください。
以上をふまえると、50歳未満の人は、ねんきんネットを利用するのが無難だと言えそうです。
公的年金だけでは足りない部分はどうすればよいの?
公的年金だけでは生活費がまかなえそうもない、という方がほとんどだと思われます。かく言う筆者もそのうちの一人だったりします。公的年金だけでは足りない部分は何でカバーするのか? 貯金する、支出を減らす、以外でいくつかみていきたいと思います。
退職金
退職金は一時金形式でもらえたり、年金形式でもらえたり、とその会社によって様々です。ただし、どんな会社でも退職金が出るのか? というと、そうでもないのが恐いところです。「自分の会社にはそもそも退職金制度がなかった」というケースもあるので、事前に確認しておくようにしましょう。退職金の確認方法は、会社の就業規則(退職金規定)を見てみる、または、会社の人事課などの担当部署に聞いてみる、というものがあります。
働く
月数万円でもよいので「働いて稼ぐ」ということも考えられます。今はピンと来ないかもしれませんが、年金生活者の数万円はかなり大きい金額です。ある70歳の相談者は次のような話をしてくれました。「私の会社は人が全然足りていません。会社からは、私がその気なら75歳でも80歳でも働いて欲しい、と言われました。私も収入が入るのでとても助かっています」定年を現在の65歳ではなく70歳まで引き上げよう、という政府の案も出ています。将来的には定年年齢の廃止、なんてこともあり得るかもしれませんね。今後は長く働き続ける人も増えていくことでしょう。そのなると、ますます健康管理、自己管理が重要になってきます。
資産形成
今回メディアで取り上げられた、金融庁の資料(金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」令和元年6月3日)の一文には次のようなものがあります。
『米国では75歳以上の高齢世帯の金融資産はここ20年ほどで3倍ほどに伸びている一方、わが国の同年代の高齢世帯の金融資産はほぼ横ばいに推移』。米国が3倍ほどになった理由としては『現役時代から資産形成を実行し且つ継続するとともに、そのような世代が歳を重ねるに従い、高齢世帯の資産が増加していったと推察される』とあります。日本でも、NISAやiDecoなど税制面で優遇されるものも増え、個人で長期の資産形成がやりやすい環境になってきています。無料で勉強できるサイトやセミナーも沢山あるので、この機会に資産形成にもチャレンジしてみるとよいかもしれませんね。かく言う筆者も、フリーになってから資産形成を続けています。
まとめ
公的年金だけでは老後の生活費をまかなうのは厳しい時代になっていくことでしょう。
しかし「これじゃ生活できない。何とかしろ! 」と不平不満を言ったところで何も変わりません。「自分ならどうするのか? 何ができるのか? 」を考え、実行に移していくことが大切だと思います。
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