こんにちは、こめまるです。
先週のコラムに高齢者の犯罪が増えているということを書きましたが、数日前の横浜の商店街で起きた71歳の男性の通り魔事件は、身につまされる思いがしました。
酸いも甘いも経験した70歳の男性が、
なぜにそんな人を傷つけるような犯罪を犯すのでしょうか?
なぜ、犯罪を犯す状況まで追い込まれたのでしょうか?
相談する人も家族もいなかったのでしょうか?
僕が指標とする定年後に起業した経済コラムニスト大江英樹氏は、その著書の中で、「定年後に一番深刻なのは孤独になること」と書かれています。
多くの人は、定年後の不安について「健康」と「お金」を上げますが、実は一番深刻で、避けなければいけないのは孤独になることだそうです。
今日はその定年後の孤独について考えたいと思います。
独居老人と孤独とは違う?
以前、独居老人スタイルという本を書いた、都築響一氏のコラムを読んだことがあります。
へえ、と思ったのは、独居老人というと孤独で、一人で寂しく過ごす老人というイメージですが、都築氏の考え方は、独居老人=孤独ではなく、自由に生きる人だということでした。
例として老人の自殺は、一人暮らしよりも三世代同居の方が多いということも書かれていました。
残念ながら僕は「独居老人スタイル」は未読ですが、身近なところでは、僕の父親が一人暮らしです。
今年で85歳ですが、寂しいのかなと思うと老人会などでゲートボールをしたり、旅行したりと意外と楽しそうです。
むしろ、昨年亡くなった母の介護をしていた頃に比べてずっと元気になりました。
僕の妹が、クルマで20分くらいのところに住んでいて、時々訪問して日用品を届けています。
つまり、父は独居老人ですが、孤独ではないということです。
定年後、自分の居場所がなくなり孤独になる生き方
さて、孤独にならないためにどうしたら孤独になるかを考えたいと思います。
自分を例にしてみると、僕は現在、幸いにも孤独ではありません。
なぜか?
家族がいます。妻と娘二人、そして猫三匹と一緒に暮らしいています。
特別に仲良しの家族ではありませんが、ほどよく会話のある家族だと思います。猫三匹が、いい意味で家族の話題になっています。
次に仕事があります。再雇用ですが、毎日会社に出勤して、同僚たちとそれなりに楽しく働いています。
最後に趣味があります。合唱団に入っていて毎週日曜日に練習に行ってそこの仲間たちとの付き合いがあります。
でも、もしこの三つが一気になくなったら、僕は、急激に孤独の坂を転がるように落ちていくように思います。
想像するだけでも恐ろしいことです。
一日、誰とも会話をしないなんて考えただけでも恐ろしいことです。
定年後の準備は、定年前から
僕が、幸いにも現在孤独ではないのは、たまたま定年前、もっというと40代、50代からやっていたことが、うまい具合に準備となっていたことです。
まず、家族。
子供たちはいずれ家を出て行きます。すでに長男は、2年間から自立しています。二人の娘もいずれ家を出ていくでしょう。そうなると妻と二人だけです。
特にラブラブな夫婦ではありませんが、共働きで、子供が三人いたことで必然的に僕も家事を手伝うようになっていました。
次に猫。
猫の存在は、バカにできません。一番年長の猫は、なんと現在19歳。次女が2歳の時から一緒に暮らしています。もし猫がいなかったらと思うと、家族の会話は確実にいまより少なかったと思います。
三番目は仕事。
僕は、体が動く間はずっと仕事を続けたいと思っています。例えそれが、数万円の収入程度でも続けたいと考えています。
そのために僕は、1年以内で現在の会社を退職して、個人事業主として働きます。その方が、ずっと仕事を続けられるからと考えるからです。その仕事も50代半ばから少しずつやってきたことです。
そして最後に趣味。
現在、合唱団に入っていますが、これも定年になったからといっていきなり始めたのではありません。
継続的ではありませんが、40代から50代に数年間合唱団に入り活動した経験があったからです。
最後に
幸いにも現在の僕は、それなりに健康で、毎日生活できる収入があり、家族と仲良く過ごしています。
でも現在の状況は、いきなりやってきたのではありません。20年前、10年前の生き方が、働き方が、現在に至っています。
つまり30代から50代の働き盛りは、なかなか先のことは考えられませんが、老いは生きていれば必ずやってくるので、出来ことからやるといいと思います。
そして、もしあなたが現在孤独だと思ったら、まず働きだしてください。そして猫を飼うと生きる勇気がわきます。