こんにちは。
こめまるです。
私は、先月7月末を持って、37年4ヵ月働いた会社を退職しました。
大学を卒業して新卒採用で入社して、気が付くとこんなに長い間勤めていました。
社員200名ほどの中小企業でした。
しかし、同族会社として来年創業100周年を迎える企業でもあります。
まずは、企業を継続させた経営者一族に感謝したいと思います。
37年間勤めた会社が倒産しなかった、または他の会社の傘下に入ったり吸収されることもなく続いたことに感謝しています。
そして、一緒に働きてきた仲間たちとも仲良くやってこれたことに感謝いたします。
私事で恐縮ですが、簡単に37年間を振り返ってみたいと思います。
就職先はどこでも良かった
勤めていた会社は、1920年に大阪で創業した会社で、当初は雑貨商だったようですが、二代目からは時計を扱うようになり、私が入社した当時の三代目からはジュエリーも扱うようになり、会社規模も個人商店から飛躍的に大きくして、1970年に東京にも進出しました。
大手百貨店と取引を始めたことで、70年代は、消費者の旺盛な購買欲にも助けられ、社員も不眠不休で働いて売上を伸ばし、堅固な経営基盤を作ったようです。
当時を知る私の先輩社員は、百貨店で催事を行うとショーケースにお客様が押し寄せてきて、ショーケースを押し返すのに必死だったと語っていました。
まさにバーゲン会場のような光景で、いまのジュエリー展では考えられないような光景です。
私が入社したのは、1982年(昭和57年)で、就職ジャーナルを何気なく見ていて、よさそうだなと思い、会社訪問をして、採用されました。
当時の私は、大学を一年留年していて既に24歳になっており、どこでもいいから就職しようと考えていました。
だから、あまり真剣に企業選びをした記憶はありません。
ようは採用されればどこでも良かったのです。
就職して出会った人たち
私が、配属されたのは、ダイヤモンドの輸入卸の部門でした。
当時は、デビアスという大企業がダイヤモンドの原石を一手に扱っていて、それをサイトホルダーというカッティング工場を持つ企業に定期的に供給するというスタイルでした。
そのサイトという供給を受ける企業は、イスラエル、ベルギーのユダヤ系企業とインドの会社が中心で、日本では当時住友系の企業が一社だけでした。
だから、多くの日本のジュエリー会社は、買付と言って、イスラエルのテルアビブ、ベルギーのアントワープ、インドのムンバイへと研磨済みのダイヤモンドを買い付けに行っていました。
ただ、ジュエリーメーカーや大手小売店が直接買い付けに行くことはなく、ダイヤモンド輸入業者がいて、彼らが買い付けに行き、輸入したダイヤモンドを国内のメーカー、小売店の卸すというビジネスを展開していました。
私は、そんな部署に配属されました。
当時の部署の部長は、まだ30代半ばにも関わらず業界でもレジェンド的な存在でした。
ダイヤモンドビジネスに携わる人たちは、30代が中心でいまから考えるとみんな若かったものです。
だから、海外買い付けも頻繁に出て、国内の取引先との夜の付き合いも多かったにも関わらず、みんな精力的に働いていました。
夢破れたあと
私が入社した82年からバブル経済が崩壊する90年代初頭までまさに怒涛の右肩上がりで売り上げが伸び、会社のダイヤモンドの卸額も年間10億位から50億を超えるまでに伸びました。
それに伴い給料も上がり、当時の私は、適当に入社したのにツイているなぁ、なんて喜んでいたものです。
私自身も87年頃から買い付けに行きだし、当時はまだ買い付けする企業が少なかったまだソビエト連邦時代のモスクワに行きだしました。結局、自身最後の買い付けとなった94年まで足掛け8年で60回ほどの海外買い付けに行きました。
私が買い付けるダイヤモンドは、婚約指輪などの素材となるサイズが0.2カラット以上のクオリティーの高いものが中心で、一時は、自分の買い付けたダイヤモンドで全国の市場を制覇してやると夢を描いたこともあったくらいです。
でもバブル経済の崩壊と共にジュエリー業界も急速に輝きを失っていきました。
最盛期は、業界全体で2兆円とも言われていた取引額もいまでは3千億円ほどで推移する状態です。
最後に
適当に選んで入社した企業で37年間も勤めることが出来たことは、本当に運が良かった思います。
しかも仕事ではありますが、憧れてたロシアのモスクワやドイツのフランクフルトにも何度も行くことができました。ベルギーのアントワープの大聖堂は心の故郷と思うほどです。
よく友人に人生の最期はアントワープの大聖堂でルーベンスの壁画を見ながら愛猫と一緒に逝きたい、なんて冗談を言っているくらいです。
サラリーマン時代の思い出話は今回で終わりにして、次回からは退職後のレポートをしていきます。よろしくお願いします。
【前回の記事はこちら】
人生は選択 定年後こそワクワクドキドキする方を選びたい