何気ない取引、ホントに非課税?

2020年2月10日

自宅にある本、洋服、アクセサリー、生活家電・家具を売ったことがありますか?
生活費の足しにしたり、売れた代金で代わりの欲しいものを買ったり、家族で外食を楽しんだりと、ちょっとした「楽しみ」としている方も多いのではないでしょうか?
所得税法上、生活用動産の売却益は非課税とされていますが、
言い換えれば、生活用動産に該当しないものを売った場合の利益は非課税とはなりません。今回は、何気ない日常の取引の税金についてご紹介します。

貴金属等は譲渡所得、年間売却益が50万円を超えると課税扱いに


生活用動産とは生活用の財産。イメージとしては、本、普段着の洋服、生活用の家具、家電等が思い浮かびます。これらの売った利益は非課税となると考えられます。
ただし、1個または1組の価額が30万円を超えるものは生活用動産から除かれ、通常、譲渡所得扱いとなります。具体的には、金、プラチナ、べっ甲、珊瑚、琥珀、書画、骨董品等が該当します。
譲渡所得に該当すると、売却代金(収入)から取得費(購入費用)と譲渡費用(売ったときの経費)を差し引いた金額(譲渡益)が年間50万円以下であれば、税金はかかりません。
なお、取得費が分からない場合、譲渡代金の5%を取得費として計上することになります。売却代金と取得費の差額が95%(100%-5%)と扱われ、譲渡益が大きくななってしまいますので、購入費用が分かる契約書、領収書等はなくさないよう、保管残しておきましょう。
譲渡所得(もうけ)
=売却代金-(購入費用+譲渡費用(宅配代、交通費等))-特別控除(年間50万円)
仮に、50万円を上回る場合、所有期間が5年超のものは、譲渡益の2分の1が課税対象となります。長い期間、自宅に眠っていた貴金属等の売却益の税負担は相対的に軽くなります。
所有期間5年超の場合=譲渡所得×1/2が課税対象
所有期間5年以下  =譲渡所得が課税対象
最近はブームになっている商品を大量に仕入れて、ネット上で転売する人も多くいます。
フリマアプリ等を利用して営利目的で転売している場合は、雑所得(事業的規模の場合は事業所得)と扱われる可能性があります。(前述のとおり、普段の生活で使っている財産の売却の多くは非課税)。
雑所得や事業所得は「収入-必要経費」により求められます。
収入は主に売却代金、必要経費は仕入金額のほか、収入を得るために必要とされる通信費(ネット利用)、宅配代、パソコンの減価償却費等(合理的に按分し、必要経費に計上)となります。
雑所得(事業的規模であれば事業所得)
=収入(売却代金)-必要経費(交通費、通信費、宅配代等)
なお、給与所得者の場合、給与所得以外の所得金額が20万円以下である場合、所得税の申告をしなくてよいとされています。ただし、医療費控除等を受けるなど、確定申告をする場合には20万円以下であっても確定申告は必要ですし、住民税は20万円以下でも申告が必要ですので、注意しましょう。

売って損しても、基本的に節税効果はない


では、売って損した場合、節税効果はあるのでしょうか?
生活用動産の売却益は非課税扱いであるため、儲かっても税金がかかりませんが、
損をしても節税効果はありません。
1個または1組の価額が30万円を超える貴金属等の譲渡益は譲渡所得として課税されますが、損失が発生した場合でも、損益通算はできません。
貴金属等は、生活に必要でない資産の譲渡に該当するため、売って損失が発生しても、
救済する必要性が相対的に低いとされ、節税効果は期待できません。
では、転売目的で仕入れて売った利益が雑所得に該当する場合、年間で損失が発生する場合はどうなるのでしょうか?
この場合も損益通算はできません。
事業所得に該当する場合は、損益通算が認められますが、開業届が必要ですし、転売目的の開業届を出している人も多くはないでしょう。なお、損益通算をするには確定申告が必要です。
テレビやネットで話題を呼んだ商品、有名人が利用している商品を大量に仕入れて転売して利益をあげるのも生活の知恵としてとてもよい着眼点だと思いますが、税務申告のことまで考えている人は多くないと思います。
思わぬところで失敗しないためにも、儲かったら基本的に税金がかかるかも…という意識を頭の片隅においておきましょう。
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この記事のライター

益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

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