
老後のお金がいくら必要なのかという話になると、必ずこういった計算になります。
(夫婦2人の生活費/月)30万円×30年=1億800万円
(年金受給額/月)20万円×30年=7200万円
1億800万円−7200万円=3600万円
つまり、この夫婦の場合、3600万円の資金が老後に必要となるという計算です。では、定年退職時に3600万円の貯蓄があれば、この夫婦は本当に幸せで豊かな人生を送ることができるのでしょうか。
私には必ずしもそうとは限らないように思えます。
”豊かな人生”はお金だけではない
豊かな人生とは、金銭的、経済的な豊かさと物質的、心理的豊かさの2つの側面があるからです。
この2つの豊かさがあって初めて、本当の豊かな生活が送れるのです。
老後に必要となる金額を計算して、そのお金を貯める、資産を形成することも重要ですが、同時に物質的豊かさと心理的豊かさにも配慮すべきなのです。
「家族と過ごしたいのに、お金を稼ぐことしか頭になかったせいで、熟年離婚になり、子どもとも疎遠になった」
「仕事人間だったので、定年退職後の生きがいが見つからない。娯楽はテレビを見ることだけ」
金銭的な豊かさのことしか考えていなければ、このような状態に陥る可能性が高まります。金銭だけにとらわれず、ぜひ自分の生き方・価値観を考慮して、老後の生活を具体的にイメージするようにしてください。
また、老後に必要なお金の資金についても、「金額」ばかりにとらわれていると、本当に必要な資金が見えてきません。たとえば、持ち家なのか賃貸に住んでいるのかでも状況は変わってきます。足腰が悪くなったことを考えると、交通機関はどうなるのか、という問題もあります。車が必要になる地域に住んでいるのであれば、新たに買い足さなければなりません。
そういったことも含めて、具体的に考えるようにしましょう。
入社1年目は「働き方」と「生き方」を満たすことを目指そう
働き方と生き方は、切っても切り離せない関係にあります。イキイキと働いている社会人は、働き方と生き方の関係が良好な人だともいえます。