
「あの人、株に手を出したみたい……」「外資系金融マンと結婚するの? その人お金のことばかり考えてない? 大丈夫?」
こんなふうな会話にも見られるように、世間一般的には、資産運用や投資は、善というよりもむしろ悪と捉えられがちです。
この認識は正しいでしょうか?
確かに、一部のマネーゲームに走っている人を見ると顔をしかめたくなります。しかし、私は資産運用や投資というのは、そんな暗いイメージのものだとは思っていません。私たちの将来をより豊かにするための、ひとつの手段だと感じています。
リスクが高いのはどっち?
リスクが怖いという気持ちはよくわかります。
しかし、これからの時代は、貯蓄しているだけのほうがリスクが高いかもしれません。その理由としてあげられるのが、右肩上がりの時代が終わったことです。
たとえば高度経済成長期には、労働による収入が毎年どんどん増えていきました。
その時代には、資産運用など考えずとも、仕事による収入アップが当たり前であり、また銀行の金利も高かったため、貯蓄しているだけで十分でした。
しかし、昨今では収入はアップするどころか、減ることもあります。預金金利もほぼゼロという時代です。
100万円を10年間預けると
いくらになる?
さらに、会社が事業規模を縮小してリストラの憂き目に遭ったり、病気を患ったり、メンタルが参ってしまったり、あるいは親の介護をしなくてはいけなくなる可能性も否定できません。
医療の発展により90歳、100歳まで生きるというのが当たり前となった現代では、65歳の退職から40年間もずっと貯金と年金だけで暮らしていくというのは、考えただけで身震いしそうな話なのです。
収入源を会社からの収入だけに絞るというのは、命綱一本で崖に吊るされているようなものかもしれません。
この命綱は、2本、3本とあったほうがリスクは減ります。これからを生きる20代のみなさんは、そのことを心に深く刻んで過ごしてほしいと思っています。
「経済的自立」が将来の選択肢を増やす
どんなに優秀なビジネスパーソンでも、「明日何が起こるのかわからない」のが現代です。常にリスクを意識して生活するようにしてください。