
社会人になったみなさんは、全員が社長です。個人事業主や会社経営者はもちろん、どれだけ大きな会社に所属していようが、フリーターだろうが、お堅い仕事をしていようが、全員が自分という会社の社長なのです。
特に、先行き不透明な現代では、自分という会社の社長だという意識は大切になるばかり。かつての会社では、黒字社員と赤字社員が共存できる余力がありました(黒字社員とは、会社に利益をもたらす社員のことで、赤字社員とは、会社に利益をもたらすことのできない、「給料泥棒」とも呼ばれる人たちのこと)。
しかし、経済が停滞気味の現在にあっては、赤字社員は簡単に切り捨てられます。会社が無条件に社員のことを守ってくれる時代は終わったということです。
2013年には「特定支出控除制度」が改正されました。仕事のために買ったビジネス書やスーツ代、接待や後輩のために支払った飲食代が、経費として認められるようになり、会社員であっても確定申告をすれば、控除額が増えるようになりました。これも、全員が自分という会社の社長という時代になった証左だと思います。
では、自分という会社を経営し、資産を形成していくには、何をしたらいいのでしょうか。
「入ってきたお金」と「使ったお金」を把握しよう
まずは、通常の会社と同じように「損益計算書」をつくるべきだと思います。
損益計算書(P/L)とは、会社を安定、成長させるために、売上げがどれだけあるのかや、利益がどれだけ出ているか(あるいは赤字なのか)、無駄なお金を使っていないかなどを把握するものです。
カンタンにいえば、売上げと経費をあらわす表のことです。個人にあてはめると、「入ってきたお金」と「使ったお金」と言い換えられます。
実は、すでにWORK SHEET 03で書き出してもらった月間収支と同じです。
自分の損益計算書をつくることで、どの部分をどうすれば資産を形成できるのかが見えてきます。たとえば、食費を削るのか、交際費を削るのか、あるいは収入を増やすために資格を取るのか、転職をするのかといった将来への道すじを立てていくことができるのです。
ちなみに私がお勧めする支出削減(コストカット)の方法は、住居費や保険といった固定費を削ることです。毎月確実に出費を減らしたいのならば、イレギュラーな支払いが生じない固定費からというのが、私の持論です。ぜひ参考にしてみてください。
入社1年目から「損益」の意識を高く持とう
どんなに小さな仕事でも、損益を抜きにして行ってはいけません。社会に出ると、一瞬の気の緩みが大きな損失へとつながることを忘れないように。