明るい将来を築くためのパーソナル・バランスシート

2024年12月20日

「僕の夢はプロ野球選手です」という夢を抱いた子どもがいたとします。
その夢に向かって進むには、どうすればいいでしょうか。
すぐに思いつくのは、とにかく技術を磨くことでしょう。
「ボールを投げるコントロールを上達させる」「遠くまで飛ばせるようバッティング技術を磨く」といったことを目標にして、毎日の練習をします。
でも、そういった毎日のやるべきことだけをこなしていても、プロ野球選手になれる可能性は高まりません。

甲子園に出場できる名門高校に入学する、確かな技術を持った指導者やコーチとめぐり合うといった大きな視点での道すじを立てていかないといけません。
先ほど説明した損益計算書は、「日々の生活でお金の無駄遣いがないか」「もっと節約できるところはないか」といったことを把握するためのものです。これは野球でいえば、日々の技術を磨くことです。

私は、大きな視点で道すじを立てるには、「貸借対照表」も必要だと思っています。貸借対照表(ここでは「パーソナル・バランスシート」と呼びます)とは、自分が持っている資産と借金(負債)、そして純資産(資本)を正しく把握するためのものです。
たとえば、土地や建物、自動車といった資産価値のあるものや、抱えている住宅ローンや自動車ローンといった借金は、毎月の収支には表れません。そのため、損益計算書だけでは、資産形成への大きな道すじがつくりづらいといえるのです。

大きな道すじをつくるには、3つのやるべきことがあります。
①人生の目標を立てる
②「パーソナル・バランスシート」で現状を把握する
③人生の目標に向けて「損益計算書」を見直す

まずは、人生の目標を立てます。
「定年退職までに8000万円の純資産をつくって、夫婦でハワイに移住して老後の人生を謳歌したい」「50歳までに5000万円の純資産をつくり、その後は趣味も兼ねた陶芸をして暮らしたい」といった大きな人生の目標を立てましょう。

人生の目標を立てることができたら、パーソナル・バランスシートで現状の純資産を把握します。基本的な計算は、「資産−借金=純資産」というものです。
意外とシンプルですよね。ここで大切なのは、資産も借金も包み隠さずに出すことです。年金や保険、財形貯蓄などの計算しづらいものから、建物や土地といった価値が変化するもの、目を覆いたくなる借金にいたるまで、すべてを数値化しなければいけません。ただし、数千円単位まで正確な数字である必要はありません。
パーソナル・バランスシートが作成できたら(できれば3ヵ月に一度、少なくとも半年に一度は計算し直してください)、損益計算書を見直します。

WORK SHEET 05

把握できた資産から、どうすれば人生の目標にたどり着くことができるかを逆算して、現状の損益計算書を改善していくのです。また、3ヵ月ごとに出てきた純資産がどう推移しているのかにも注目してください。増えていれば問題ありません。もし減っていれば、どこに問題があるのか追及しましょう。

この損益計算書とパーソナル・バランスシートの2つは、あなたの人生の世界地図ともいえるものです。ぜひ作成して、人生の目標に近づけるようにしてください。

仕事に活かす

バランスシートを理解できるようになろう

バランスシートは、あなたの人生設計でもっとも参考になる地図です。資産と借金を同時に把握すれば、自分の本当の資産が見えてきます。

▶︎【CHAPTER8-③】けっきょく「住宅」は購入と賃貸、どちらがいいの?

About the author

「お金の勉強」をはじめたい!

まずは、無料で学べるマネーセミナー

自宅で気軽にお金・投資を学べる!
興味のあるセミナーを受講して、自分に合った資産運用を見つけましょう。

マネーセミナーの一覧を見る(無料)