
資産運用とは、簡単にいえば自分のお金に働いてもらうことです。前項で触れた命綱でいえば、2本目、3本目となるものです。
自分が保有しているお金を運用して、世界中のどこかにいるお金を必要としている人に投資し、その見返りとして配当を受け取るというのが基本的な考え方です(詳しくは後述します)。
もちろん資産運用は、リスクがゼロではありません。
しかし、資産運用において指摘されるリスクとは、多くの場合、お金の運用をするスキルを持っていない人にあてはまるものです。
投資自体がリスクと同義ではありません。
資産運用の正しい知識を学ぶ必要がある
クスリを例に考えてみましょう。クスリには、副作用がつきものです。劇薬と呼ばれるクスリを過量に使用すると、生命の危険性すらあります。クスリはリスクと表裏一体ともいえます。
でも、きちんとした知識を持った医者が使用する(処方する)場合には、クスリは素晴らしい効果をもたらします。
正しい使い方をすることで、病気から快復したり、生命の危機から抜けだしたり、精神を安定させたりできるのです。
資産運用をするスキルを身につけるには、何はなくとも「経済と投資の知識」が必要です。この後に説明する基礎知識をしっかりと頭に入れておきましょう。
さらに、自分で実際に投資をすることは、その成果にかかわらず、経済のことや世の中の流れを勉強することにつながります。それは間違いなく、仕事にも活きてくるでしょう。
「身銭を切る」と、それだけ真剣度が増します。真剣であればあるほど、当然何でも身につきやすいものです。短期的には損をすることもあるかもしれませんが、中長期的な観点から見れば、社会人としての成長によるメリットがあるといえるのです。
投資の勉強は「一人前の社会人」への近道
友人が株で儲けたという話や、「○○で1億円儲ける」「お金持ちになるための7つの法則」などのタイトルの本に触発されて、「私も儲けよう!」と何の知識もないまま投資を始めるのはとても危険な行為です。
泳ぎ方を知らないまま海に飛び込むようなもので、すぐに溺れてしまう可能性はかぎりなく高いでしょう。
泳ぎ方を身につけ、体力をつけておく。さらには、潮の流れや天候の影響など海の特徴をよく知り、状況が急変したときの対処法までも身につけて、準備体操もしっかりと行う。こうして初めて、安全に泳ぐことができるようになります。
投資の世界は、ある意味プロ同士の戦いの場でもあります。
運用会社などの投資の専門家が、日々研究しながら投資に挑んでいるわけです。
その中へ、何の知識も身につけていない素人が入っていっても勝てるはずがありません。
投資のプロとして一人前になるには、5〜10年の勉強期間が必要だといわれています。さらに一人前になった後も、彼らは絶え間なく努力を続けています。
同じように、私たちが投資をするときにも、しっかりと時間をかけて勉強することが必要です。
あるアンケートでは、正しい知識を身につけて資産運用をしている人の多くはしっかりとしたリターンを得ているものの、誤った知識で運用している人の多くは損をしているという結果が出ました。
これは、「学んでいない人」から「学んでいる人」へお金が流れているともいえるでしょう。
リスクを小さくする方法
投資では、「儲かる可能性が高いもの」ほど「失敗の確率も高くなる」というハイリスク・ハイリターンという考え方が浸透していますが、実際には投資の知識やスキルを身につけることで、リスクを小さくしていくことができるのです。
どんなことでもリスクは減らすことができる
「電車の遅延で約束の時間に遅れた」と言い訳するあなたは、10分前行動を心がけていましたか? 遅れるリスクを軽減する方法はいくらでもあるはずです。