成功の法則「やり抜く力」を育てる方法!

2017年5月2日

現在、アメリカを中心とした世界の教育、心理学分野が大注目する「GRIT=グリット」というキーワードをご存知でしょうか?日本語に訳すと「やり抜く力」と表現されるそうですが、ビジネス界、スポーツ界、さらに世界銀行や米国陸軍、ホワイトハウスまで!幅広い分野のリーダーたちが、成功するための必須条件であると認めているそうです。
そして、この「やり抜く力」に関する研究の第一人者が本書の著者、アンジェラ・ダックワース教授。ハーバード大学を優秀な成績で卒業後、オックスフォード大学で博士号を取得。世界の名だたる一流企業を顧客に持つマッキンゼーで経営コンサルタントとして働いたのちに心理学者に転身という、華麗なる経歴を持つ女性心理学者です。
彼女の研究は「ニューヨークタイムズ」「フォーブス」「タイム」をはじめ数々のメディアが取り上げ、TEDトーク「成功のカギは、やり抜く力」の視聴回数はなんと900万を超えるほどの人気なのだとか。
全米でベストセラーになり、世界のトレンドになりつつある成功者の新法則とも言える「やり抜く力」。人生のあらゆる分野に共通するパワーの秘密に迫ります。

才能があるのになぜ「踏ん張れない」のか?

「成功するために必要な物」というテーマが語られるとき、必ずと言って良いほど挙げられるのが才能・熱意・学力・適正・体力・ひらめき力などではないでしょうか?ですが、彼女の研究結果によるとそれらは成功の必須条件では無いといいます。その理由は、スポーツ選手や音楽、受験生など様々な分野で結果を残した人を調査した結果、元々の能力(学力や体力)は高いのに途中であきらめてしまう人が数多く存在したからです。
才能があるのに踏ん張れない人と、最後まで踏ん張れる人は何が違うのか?そして、そんな「やり抜く力」の持ち主をどうすれば事前に見つけ出すことができるのか?彼女は過去に誰も解明することができなかった力の数値化に取り組み、ひとつの答えを導き出します。

あなたの「やり抜く力」はどれくらい?

彼女は研究の末「やり抜く力」を数値化する方法を考案します。それは、いくつかの質問に「まったく当てはまらない~非常に良く当てはまる」まで5段階の評価をしていくという方法。その質問の一部がこちら。
・新しいアイデアやプロジェクトが出てくると、ついついそちらに気を取られてしまう。
・私は挫折をしてもめげない。簡単にあきらめない。
・目標を設定しても、すぐに別の目標に乗り換えることが多い。
・私は努力家だ。
(中略)
・重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある。

これらに答えた結果を集計することで、自分の「やり抜く力」の強さが分かるといいます。彼女はアメリカ陸軍士官学校の超過酷な体力試験に挑む生徒たちにこのテストを実施して、脱落する人と最後まで踏ん張ることができる人を見分けることに成功。しかも結果は、入学当時の成績、つまり才能と全く関係がなかったのだから驚きです。

「やり抜く力」は育てられる!

自身の「やり抜く力」が分かったところで、それを伸ばすことが出来なかったらガッカリですが、安心してください。「やり抜く力」は伸ばすことができるそうです。そのための一番の方法は、ズバリ「好きな分野で頑張ること」もしくは「好きになること」だそうです。
でも、例えば仕事において、実際に自分の能力があると感じる事よりも好きなことを優先させるには勇気がいるかもしれません。生活が懸かっているのだから当然ですが…しかし、人間の「興味」についての心理学研究では「好きなこと」を仕事にしている人の方が、他人の評価や金銭を優先した人よりも圧倒的に満足度が高い。しかも、結果として業績も高くなりやすいということがデータの上でも明らかになっていると言います。
本書では、オリンピック金メダリストや芸術家、学者などが実際に行った「自分の好きなことの見つけ方」や「好きになる方法」も多数紹介しています。

「あきらめていい事、わるい事」

どんな偉人や成功者にも、挫折を経験し何かをあきらめた経験があるでしょう。でも、ダックワース教授によると彼らの思考には特徴があり、それは彼らは必ず「たった一つの大きな目標」を持ち、ほぼすべての行動がその目標達成に向けられているということ。ひとつの行動は挫折してあきらめることになっても、大目標であるコンパスを替えないことが「やり抜く力」につながるのです。
ちなみに、世界屈指の億万長者ウォーレン・バフェット氏は、目標の優先順位を決めるために以下の3ステップを提案していたといいます。それは以下の通り。
ステップ①「仕事の目標を25個、紙に書き出す」
ステップ②「その中で自分にとって重要なもの5個をマルで囲む」
ステップ③「マルをつけなかった20個の目標を目に焼き付ける。そしてそれらの目標には、今後一切関わらないようにする」
合理的ないかにも彼らしい方法だと言えますが、かなり参考になるのではないでしょうか。
「継続は力なり」という言葉もあるように、日本人にとって本書は馴染み深いテーマでもあると思いますが、ダックワース教授は「やり抜く力」の重要性を論理的に解明しただけでなく、数値化に成功したことに大きな意味があります。そして現在、グーグルでは「やり抜く力」のある人材を採用しはじめ、マイクロソフト代表のビル・ゲイツ氏やフェイスブック代表のマーク・ザッカーバーグ氏もこの力を重要視しているそうです。
自分の「やり抜く力」はいったいどれくらいなのか?自分の現在地を知ることで、目標達成へのアプローチの参考になりそうです!
grid

この記事のライター

横山ケン太

趣味は財テクとアウトドア。フリーの作家として活動中。

About the author

「お金の勉強」をはじめたい!

まずは、無料体験セミナー

自宅に居ながら資産運用の勉強がはじめられる。
気になるセミナーを選んで、授業を「体験」してみよう!

無料体験セミナーを見る(無料)